2019年12月26日、日本経済を牽引するトップ経営者たちの間に、かつてないほどの激しい「危機感」が広がっていることが明らかになりました。最新の「社長100人アンケート」によると、なんと72.2%もの企業が、長年続いてきた「年功型賃金」の見直しに踏み切る意向を示しています。
驚くべきことに、今回の調査では「現状の制度でよい」と答えた経営者はゼロでした。SNS上でも「ついに日本企業が動き出したか」「若手のやる気が報われる時代が来てほしい」といった期待の声が上がる一方で、「本当に実力が評価されるのか」という不安混じりの投稿も散見され、大きな関心を集めています。
なぜ今、年功序列の打破が叫ばれるのか
見直しを求める最大の理由は、デジタル時代の波に乗り遅れることへの恐怖です。アンケートでは76.9%の経営者が「優秀な若手や高度な技術者に対して、適切な処遇ができない」ことを懸念材料に挙げました。特に、プログラミングやデータ分析などの専門知識を持つ「デジタル人材」の確保は死活問題となっています。
ここで注目されるのが、個人の職務内容や役割を明確にして評価する「ジョブ型」雇用です。従来の「人に仕事をつける」仕組みから、欧米のように「仕事に人をつける」スタイルへの転換が急がれています。実際に、導入済みまたは検討中の企業はすでに6割を超えており、雇用制度のパラダイムシフトが起きています。
新卒でも年収1000万円?加熱する高待遇競争
優秀な才能を囲い込むため、破格の条件を提示する企業も続出しています。例えばNECは2019年10月から、新卒社員であっても能力次第で年収1000万円以上を支給する新制度をスタートさせました。また、ソニーやファーストリテイリングなども、年齢に関係なく能力に基づいた高額報酬を打ち出しています。
しかし、改革の道は決して平坦ではありません。終身雇用制度については、依然として63.2%の企業が「当面は維持する」と回答しています。年功賃金を見直したいという理想はあるものの、既存の中高年社員からの反発や、社内の公平性をどう保つかというジレンマに、経営陣が頭を悩ませている様子が透けて見えます。
ピラミッド型組織から「フラット」な関係へ
さらに、イノベーションを創出するために「組織の形」そのものを変えようとする動きも活発です。上下関係を最小限にする「ホラクラシー」や「ティール組織」といった、階層のないフラットな組織運営に半数以上の企業が関心を示しています。これは、社員一人ひとりの自主性を尊重し、迅速な意思決定を目指す試みです。
筆者の視点としては、この変革は単なる給与体系の変更に留まらず、日本社会の「働くことへの価値観」を根本から問い直すものだと感じます。これからのビジネスパーソンには、会社に依存するのではなく、自らのスキルを磨き続ける自律性がより一層求められるでしょう。2020年の春闘では、この賃金制度改革が最大の焦点となりそうです。
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