消費増税で中小企業の半数が悲鳴?価格転嫁の壁とキャッシュレス対応に迫る実態調査

2019年10月1日に実施された消費税率の引き上げから約1ヶ月半が経過し、現場の中小企業からは切実な声が次々と上がっています。中小企業家同友会全国協議会が2019年11月12日に発表した「消費増税影響緊急アンケート」の結果によれば、実になんと54%もの企業が、自社の経営に対して何らかの影響が出ている、あるいは今後出ると予測していることが明らかになりました。

内訳を詳しく見ていくと、現時点で既に大きな打撃や若干の影響を感じている企業が29.3%に上り、これからの動向を不安視する層も24.6%存在します。SNS上では「やはり景気後退の足音が聞こえる」「中小企業の体力がどこまで持つのか心配だ」といった、現政権の舵取りに対する厳しい意見や、将来の消費冷え込みを懸念する投稿が相次いでおり、社会全体の関心の高さが伺えるでしょう。

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業種ごとに異なる苦悩と「駆け込み需要」の代償

具体的な影響の内容は、業種によってその色が鮮明に分かれています。例えば建設業においては、増税前に工事を急ぐ「駆け込み需要」の反動による売上の減少が32.3%の企業で報告されました。さらに深刻なのが原材料などの「仕入金額の高騰」で、実に40.5%の事業者が頭を抱えています。一過性の特需が終わった後に、コスト高だけが残るという非常に厳しい構図が浮かび上がってきました。

一方で、一般消費者に近い流通・商業分野では、売上の減少に加え「キャッシュレス決済への対応」が新たな重荷となっています。政府が推進するポイント還元制度などの導入に伴うシステム改修や事務負担が、16.7%の企業の負担となっているのです。これらは本来、利便性を高めるための施策ですが、リソースの限られた小規模事業者にとっては、経営を圧迫する皮肉な要因になっていると言わざるを得ません。

ここで注目すべきは「価格転嫁」という言葉です。これは、増税によって増えた仕入れコストや税金分を、商品の販売価格に正しく上乗せすることを指します。今回の調査では、増税分を「全て価格に乗せられた」と回答した企業は44.8%に留まりました。つまり、半数以上の企業が増税分の一部、あるいは全てを自社で被る「身を削る経営」を強いられているのが現状なのです。

編集部が分析する中小企業の現在地と未来

特に懸念されるのは、赤字基調にある企業ほど価格転嫁が進んでいないという現実です。競争が激しい中で、客離れを恐れて値上げができない悪循環に陥っている企業が少なくありません。私個人としては、中小企業が日本の雇用の大部分を支えている現状を鑑みると、単なる自己責任論で片付けるべきではないと感じます。適正な価格設定を許容する消費者側の意識改革も、今後不可欠になるのではないでしょうか。

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