2019年11月28日、トヨタ自動車から発表された10月の生産・販売実績は、自動車業界に衝撃を与えました。これまで好調を維持してきたトヨタ・レクサスブランドですが、世界販売と国内販売の双方が、実に7カ月ぶりに前年実績を下回る結果となったのです。SNS上でも「ついにトヨタも足踏みか」「増税の影響が予想以上に大きい」といった驚きの声が広がっています。
具体的な数字を見ると、世界販売台数は前年同月比で3.9%減となる78万3000台を記録しました。特にタイや中国といったアジア圏での需要減速が、全体の足を引っ張った形です。中国市場の停滞は、世界経済の不透明さを物語っていると言えるでしょう。一方で、カナダでは新型「RAV4」の現地生産が軌道に乗るなど、地域によって明暗が分かれているのが現状です。
国内市場に目を向けると、より厳しい現実が浮かび上がってきます。2019年10月の国内販売は10万5000台と、前年同月から20.7%も大幅に減少しました。この急減の背景には、同月から実施された「消費増税」に伴う買い控えが大きく関係しています。高額な買い物である自動車は、増税による家計への心理的・経済的ダメージを真っ先に受けてしまうのです。
さらに追い打ちをかけたのが、列島を襲った大型台風の影響でした。災害によって物流が滞り、予定されていた納車が遅延したことも販売台数の押し下げ要因となっています。こうした不可抗力が重なった点は、メーカーにとっても不運だったとしか言いようがありません。しかし、現場では一日も早い復旧と納車に向けて、懸命な努力が続けられているはずです。
一方、明るい材料として注目したいのが輸出の好調ぶりでしょう。輸出台数は前年比4.8%増の17万3000台となり、10カ月連続で前年実績を上回りました。北米向けは現地生産への切り替えにより微減したものの、欧州やアジア、中南米向けが力強く伸びています。日本製の品質に対する信頼が、グローバル市場で依然として強固であることを証明していますね。
生産面では、世界生産が3.4%減の77万5000台、国内生産も1.4%減の27万6000台と、ともに2カ月ぶりの前年割れを喫しました。私は、この一時的な足踏みこそが、次なる飛躍への「踊り場」であると考えています。次世代技術への投資やラインアップの刷新が進む中、この減速をいかに分析し、次の一手に繋げるかがトヨタの真価を問う鍵になるでしょう。
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