【地域活性化】笑顔でわかる!羽田空港が仕掛ける新マーケティング戦略と地方創生への期待

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を目前に控え、日本の玄関口である羽田空港が、地方創生と地域プロモーションの新たな拠点として注目を集めています。日本空港ビルデングの子会社である羽田未来総合研究所(東京都大田区)は、この巨大なハブ空港を舞台に、地方と海外を結びつける画期的な地域プロモーション支援事業を本格的にスタートさせました。単なるイベント開催に留まらず、来場者の反応を数値化(定量化)することで、より効果的なマーケティング戦略の構築を目指しているのです。

この革新的な取り組みの第一弾として、2019年6月17日に、宮崎県新富町の「こゆ地域づくり推進機構」と連携したイベントが、羽田空港の国内線第一ターミナルで実施されました。会場では、一粒が1,000円もする高級ライチ「新富ライチ」をはじめとする特産品が販売されたほか、地方への移住を検討している旅行者向けのガイドブースなども設置され、大きな賑わいを見せました。特に目を引いたのは、遠隔操作型ロボット「CAIBA」による接客です。このロボットが「僕の顔、古墳に似ているよね」といったユニークな会話で来場者に積極的に話しかける姿は、家族連れを中心に多くの人々を魅了し、イベントの雰囲気を大いに盛り上げました。

従来の地域産品の宣伝イベントでは、成果の測定は主に即売会の売上や来場者数、そしてアンケート結果といった数値に依存することが一般的でした。しかし、羽田未来総合研究所は、このイベントの成果測定に笑顔測定という、一歩踏み込んだ手法を取り入れています。これは、株式会社クウジット(東京都港区)の技術協力のもと、来場者の笑顔をカメラで捉え、瞬間最大笑顔度や平均笑顔度といった指標を算出するものです。羽田未来総合研究所の末吉隆彦社長は、この測定によって「場の雰囲気を見える化し、今後のマーケティング戦略に活用する」としています。

筆者はこの試みを非常に先進的だと評価します。なぜなら、笑顔測定を組み込むことで、来場者がどれだけそのイベントに対して好印象(エンゲージメント)を抱いたかを、客観的なデータとして把握することが可能になるからです。これは単に「モノが売れたか」だけでなく、「イベントが人々の記憶に残り、地域ブランドへの好感度を高めたか」という、より定性的な成果を定量的に捉える上で、極めて有用な指標(KPI)になると言えるでしょう。SNS上でも「空港でライチイベントなんて面白い!」「ロボットが話しかけてくるの体験してみたい」といったポジティブな反響が寄せられており、この新しいプロモーション手法への期待の高さが伺えます。

羽田未来総合研究所は、この空港という特殊な立地を最大限に活用しようとしています。一般的な街中でのイベントと比べて、空港には全国各地、そして世界各国から旅行者(ツーリスト)が非常に多く集まります。同社は「上手に宣伝できれば、現地へのツーリズム、つまり観光客の送客に直結する」と述べており、羽田空港を単なる通過点ではなく、地方への興味を喚起し、実際に足を運ぶきっかけを提供する**『動機付けの場』**へと進化させようとしているのです。地域活性化の新たなモデルケースとして、羽田発のこの取り組みは、今後も大きな注目を集めることでしょう。

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