日本の金融界に、未来を見据えた非常にエキサイティングなニュースが飛び込んできました。あおぞら銀行が、ベトナムの中堅銀行であるオリエント・コマーシャル・ジョイント・ストック銀行(OCB)の株式を取得し、筆頭株主になることが判明したのです。手続きが順調に進めば、2020年4月にも約150億円を投じて、増資後における全体の15%の株式を手に入れる見込みとなっています。
インターネット上では、この決断に対して「国内市場が縮小する中で非常に前向きな攻めの姿勢だ」「成長著しいベトナムへの投資はリターンが大きそう」といった期待の声が数多く寄せられています。今回の挑戦は、同行が2001年に日本債券信用銀行から現在の「あおぞら銀行」へと行名を変更して以来、歴史上初となる記念すべき海外でのM&A(企業の合併・買収)です。守りから攻めへと転じた、まさに歴史的な大転換期と言えるでしょう。
今回パートナーとなるOCBは、1996年に設立され、活気あふれるホーチミン市に本拠を構える金融機関です。同国内に約130もの支店網を構築しており、主に個人や中小企業向けの金融サービスを得意としています。現在のベトナムは農村部の近代化やインフラ開発が急速に加速しており、建設業をはじめとする現地のさまざまな産業から、極めて旺盛な資金調達の需要が生まれています。
OCBの経営基盤は非常に強固で、2018年12月期の純利益は約80億円を記録し、なんと前年の2倍にまで膨れ上がりました。中堅という規模でありながら、業績の成長率はベトナムの金融業界でもトップクラスを誇っています。この成長性の高さこそが、あおぞら銀行が巨額の投資を決断した最大の理由と言えます。現地の監督当局から許認可が下り次第、速やかに出資が実行される予定です。
出資完了後、あおぞら銀行は現地へ取締役を2人派遣する方針を固めており、OCBを自社の「持ち分法適用会社」とする計画を進めています。この持ち分法適用会社とは、投資先の利益や損失を自社の業績に反映させる仕組みのことで、これによってベトナムの経済成長の果実を直接的に日本の業績へと取り込むことが可能になります。単なる資金援助にとどまらず、経営の深い部分でガッチリとタッグを組む形です。
さらに、あおぞら銀行は資本を増強するだけでなく、国際的な基準に則ったリスク管理や、企業が法律を守って健全に営業するための「コンプライアンス(法令順守)」の体制確立も手厚くバックアップします。日本の厳しい金融市場で培われた高度なガバナンスのノウハウを注入することで、OCBをさらに安全で信頼される巨大銀行へと引き上げる狙いがあるのです。
私は、今回のあおぞら銀行の決断を大いに支持したいと考えています。少子高齢化が進み、長引く低金利政策に苦しむ日本の金融機関にとって、経済成長のエネルギーに満ちあふれた東南アジア市場の開拓は不可避の戦略です。自社単独でゼロから海外進出するのではなく、現地でトップクラスの急成長を遂げている実力派の銀行と手を組む手法は、リスクを抑えつつ最大の果実を得る極めて賢明な選択肢ではないでしょうか。
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