激動の時代を生き抜いてきた地元の名門企業が、大きな節目を迎えようとしています。帝国データバンク静岡支店が実施した最新の調査によって、2020年01月01日から2020年12月31日までの1年間で、静岡県内に本拠地を置く29の企業がめでたく創業100周年の記念すべき年を迎えることが判明いたしました。今回、その輝かしいリストには、工作機械製造で知られるエンシュウや、地域に密着したスポーツ用品チェーンを展開するシラトリなどが名を連ねています。
実は、100年前の12020年より遡ること大正時代、1920年は第1次世界大戦が終結した後に、反動で急激な不景気が襲った「戦後恐慌」の真っ只中でした。戦後恐慌とは、大戦中の好景気が終わり、市場に商品が溢れて価格が暴落する経済的混乱のことです。これほど厳しい世界情勢の中で産声を上げ、現代まで暖簾を守り続けてきた経営努力には、本当に頭が下がる思いがいたします。SNSでも「100年続くなんて奇跡」「地元のあの店がそんな歴史を持っていたとは」といった驚きと祝福のコメントが溢れていました。
今回の調査結果を細かく分析してみますと、該当する29社のうち、最も大きな割合を占めたのが12社を数える小売業でした。それに続く形で建設業が9社となっており、私たちの日常生活に密着した産業が、地域経済の基盤を長年にわたって支え続けてきた構図が浮かび上がってきます。企業の売上規模に目を向けてみますと、年間売上高が1億円に満たない中小企業が14社と最多になっており、大企業だけでなく、地域に根差した小さなお店や会社こそが強固な生命力を持っていることが分かります。
興味深いことに、2020年に創業110周年を迎える県内企業は32社にのぼり、100周年の企業数を上回る結果となりました。さらに歴史を遡ると、120周年が14社、130周年は18社という結果が報告されており、静岡県がいかに歴史ある老舗企業の宝庫であるかが証明されています。ちなみに、この年に日本全国で100周年を迎える同期の企業は、合計で1176社に達するそうです。静岡の企業がその重要な一翼を担っている事実は、県民としても非常に誇らしいことではないでしょうか。
帝国データバンク静岡支店は、こうして訪れる周年記念の節目について、自社のブランド価値を改めて世間に浸透させ、新しい販売促進活動を展開するための絶好のチャンスであると言及しています。私は、これこそが企業が次の100年へ向けて飛躍するための、最高の「周年ビジネス」の機会になると確信しています。これまでの伝統をリスペクトしつつ、時代に合わせた革新を取り入れることで、これらの老舗企業が静岡をさらに活気づけてくれることを期待して止みません。
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