中国の湖北省武漢市で発生した原因不明の新型肺炎を巡り、現地に拠点を置く日系企業の間で緊張感が急速に高まっています。特に武漢市は、多くの自動車関連企業が工場やオフィスを構える一大集積地として知られている重要都市です。現段階では出張などを一律に制限するような目立った動きはみられないものの、各社は従業員の安全を守るために独自の自衛策を打ち出し始めました。
ネット上では「サプライチェーンへの影響が心配」「現地にいる駐在員の方々の健康が何よりも最優先」といった不安の声が数多く寄せられています。今回の事態は、単なる局所的な健康被害の枠を超えて、グローバルな経済活動や製造ラインの停滞を招きかねない重大なリスクとして、SNSでも大きな注目を集めている模様です。
大手自動車メーカーの対応と武漢が持つ重要性
武漢に強固な基盤を持つホンダは、現地企業と共同で設立した合弁会社である「東風本田汽車」の本社を同地に置き、3つの主要な自動車工場を稼働させています。ここで言う合弁会社とは、2つ以上の異なる企業が資金を出し合って新しく作った組織のことです。同社には約1万3000人の熱心な従業員が在籍しており、日本からの駐在員も数十人ほど生活しています。
現時点でホンダは出張自体の禁止措置には踏み切っていませんが、手洗いやマスク着用といった基本的な予防策を強く推奨している状況です。同様に武漢へと進出している日産自動車も、やはり現地企業との合弁会社である「東風汽車」の本社をこの地域に配置しました。日産側も、現段階では出張の規制といった厳しい措置は講じていないと説明しています。
部品メーカーの自衛策と編集部がみる今後の展望
完成車メーカーだけでなく、自動車のサプライチェーンを支える部品メーカーも、2020年1月10日時点で独自の防衛策に乗り出しました。自動車の内装部品を現地で手がける河西工業の現地法人は、従業員に対してマスクの着用や徹底的な手の消毒を義務付けているそうです。武漢には現在、およそ500人の日本人が暮らしており、現地の日本商工会には自動車関連を中心に150社を超える企業が名を連ねています。
今回の問題に対し、私は企業のスピード感ある情報収集と、感染症リスクに備えたBCP(事業継続計画)の重要性を改めて痛感いたしました。BCPとは、災害などの緊急事態が起きた際にも事業を止めずに続けるための計画のことです。今はまだ大きな混乱に至っていなくとも、感染が拡大すれば工場の操業停止など日本経済へ直撃する事態も想定されるため、今後の動向から決して目が離せません。
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