南海トラフ巨大地震から命を救う!進化する「電子カルテ」バックアップと量子暗号通信の最前線

大地震や津波などの大規模災害が発生した際、医療現場で最も重要となるものの一つが患者さんの「医療データ」です。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、高知県の高知医療センターなどと共同で、膨大な電子カルテを安全に保管し、瞬時に復元できる画期的なシステムを開発しました。これは、データの安全性を極限まで高める「秘密分散」と、次世代のセキュリティ技術である「量子暗号通信」を融合させた世界最先端のネットワークシステムです。災害時でも瞬時に治療履歴を確認できる体制が、今まさに整おうとしています。

かつて2011年3月11日に発生した東日本大震災では、沿岸部の多くの医療機関が建物ごと崩壊し、貴重な電子カルテが失われるという深刻な事態が起きました。過去の病歴やアレルギー情報、処方薬のデータが消えてしまったことで、震災直後の避難所や救急現場での医療行為は困難を極めたといいます。この悲劇を二度と繰り返さないために、今回の新システムは開発されました。いつ起きてもおかしくないと言われる南海トラフ巨大地震を見据え、医療崩壊を防ぐための非常に大きな一歩となるでしょう。

SNS上でもこのニュースは大きな注目を集めており、「災害時でもすぐに病歴が分かれば命が助かる確率が上がる」「暗号化とバックアップの重要性を再認識した」といった、期待や安心の声が多数寄せられています。ここで注目すべきは、情報をバラバラにして暗号化し、高知や東京、大阪など全国5カ所のサーバーへ分散して保管する仕組みです。この「秘密分散」という技術は、仮にどこか1カ所のサーバーが被災して破壊されたり、情報が一部盗まれたりしても、データそのものが流出・消滅しないという強固な防御力を誇ります。

さらに、今回のシステムに組み込まれた「秘匿通信」には、光の最小単位である光子を利用した「量子暗号通信」などが使われています。これは、理論上絶対に盗聴や改ざんが不可能とされる究極のセキュリティ技術のことです。医療情報は極めて機微な個人情報であるため、どれだけ災害に強くても情報漏洩のリスクがあっては普及しません。今回の実証実験では、この安全なネットワーク上に1万人分の模擬電子カルテを配置し、東京のサーバーから衛星回線を経由して高知医療センターへデータを伝送する試みが行われました。

実験の結果、被災によって現地のデータが消えてしまったと想定しても、患者さんを検索してからわずか9秒以内という驚異的なスピードでデータを復元することに成功しています。一刻を争う救急医療の現場において、10秒足らずで正確な処方履歴が手に入る意義は計り知れません。私たちは、医療と最先端テクノロジーが融合したこの取り組みを大いに歓迎すべきですし、全国の自治体や医療機関へ1日でも早く社会実装されることを強く望みます。インフラとしての医療データが守られる未来は、すぐそこまで来ています。

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