共働き子育てしやすい街ランキング2020発表!外国人共生と虐待防止が自治体選びの新基準に

子育て世代のバイブルとも言える情報サイト「日経DUAL」と日本経済新聞社が、2020年1月6日に最新の「共働き子育てしやすい街ランキング」を公表しました。今回の調査からは、これまでの「待機児童対策」という枠組みを超え、多様化する社会への適応が自治体に強く求められている現状が浮き彫りになっています。

特に注目を集めているのが、増加する外国人ファミリーへの支援や、深刻化する児童虐待への防止策といった「支援の質」を高める取り組みです。SNS上でも「これからは保育園の数だけでなく、個別の事情にどこまで寄り添ってくれるかが自治体選びの基準になりそう」といった、先進的な取り組みに期待を寄せる声が数多く上がっています。

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AI通訳機も導入!保育現場で進むグローバル化と先進事例

2019年4月1日に改正出入国管理法が施行されたことを受け、地域社会における外国人との共生は、今や避けて通れない大切なテーマとなりました。今回の調査によると、約半数にのぼる49%の自治体が、すでに保育現場における外国人親子への支援メニューを用意していると回答しています。

具体的な対策としては、宗教上の理由に配慮した「宗教食(ハラルフードなど)への対応」が56%で最も多く、次いで「多言語による案内書類の整備」が52%となりました。さらに東京都板橋区では、クリスマス会を「お楽しみ会」と言い換えるなど、宗教的な偏りをなくす配慮も行われています。

また、東京都葛飾区の小松保育園では、2019年12月中旬から全区立認可保育所に配備されたAI通訳機を導入しました。園児の5人に1人が外国にルーツを持つ同園では、言葉の壁による面談の長期化や体調不良時のコミュニケーション不足が課題でしたが、最先端の翻訳技術がその架け橋となっています。

さらに、横浜市や東京都荒川区では外国人園児が多い施設へ保育士を増員するための補助金を支給し、愛知県豊田市ではポルトガル語の通訳者を常駐させるなど、手厚い人道支援が広がっています。単なるマニュアル対応ではなく、現場の負担を減らしながら共生を目指す姿勢は非常に素晴らしいと感じます。

児童虐待を未然に防ぐ!地域密着の「子ども家庭総合支援拠点」

もう一つの重要なトピックが、児童虐待防止へのアプローチです。重篤な事案を扱う都道府県の「児童相談所(児相)」とは別に、国は2016年の児童福祉法改正により、より身近な市区町村レベルで虐待の芽を早期に摘み取る「子ども家庭総合支援拠点」の設置を求めました。

この身近な相談窓口となる支援拠点を、すでに整備・導入している自治体は58%に達しています。例えば京都市では2019年4月に専門部署を統合した拠点を立ち上げ、児相と明確な役割分担を行いながら、家庭の孤立を防ぐきめ細かな相談業務や見守り活動をスタートさせました。

子どもと日常的に接する保育所や学校、保健所などのネットワークを活かせる市区町村の強みは、悲劇を防ぐ最大の砦になるはずです。国は2022年度までの全自治体への設置を目標に掲げており、今回のアンケートでも多くの自治体が今後の整備に前向きな姿勢を示していました。

しかし、ここでも最大の障壁となっているのが「深刻な人材不足」です。全国の自治体で福祉の専門知識を持つ人材の争奪戦が激化しており、岡山市の担当者からも「形はあっても理想的な人員体制を整えるのが非常に難しい」という切実な悩みの声が漏れており、早急な処遇改善が必要です。

葛飾区が堂々の首位!病児保育の充実が人口増を呼び込む

総合ランキングで1位に輝いたのは、東京都葛飾区です。同区の最大の強みは、子どもが病気になった際や回復期に預かってくれる「病児・病後児保育」の圧倒的な充実度にあります。区内に計11カ所の施設を誇り、東京23区内でもトップクラスの安心のセーフティネットを構築しています。

病児保育は季節による利用者の増減が激しく、経営維持が難しいとされていますが、青木克徳区長は「あえて規模と数を拡大することで利用率が向上し、採算も確保できる」という逆転の発想で見事に成功を収めました。子育て環境への投資が、全国的にも珍しい人口増加という果実を生んでいる好例です。

続く2位の千葉県松戸市は、0歳児の保育園への入りやすさが抜群で、現在は小中学生の居場所づくりやいじめ対策にシフトしています。3位の東京都新宿区は午後7時までの学童保育、同じく3位の杉並区は地域限定の子育て応援券というように、各自治体が独自の強みで競い合っています。

これからの時代、自治体に求められるのは「箱モノとしての保育園」を増やすことだけではありません。多様な背景を持つ家庭を誰一人取り残さない包摂性と、有事の際に親に寄り添うスピード感こそが、未来を担う子どもたちを守り、街を豊かに発展させる鍵になるのではないでしょうか。

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