北朝鮮による拉致被害者である有本恵子さんが、2020年1月12日に還暦となる60回目の誕生日を迎えられました。神戸市長田区にあるご自宅では、91歳になる父の明弘さんと、61歳の姉である尚子さんがバースデーケーキや心のこもった手料理を囲み、愛する家族の節目を温かく祝っています。
例年であれば母の嘉代子さんも共に食卓を囲んでいましたが、94歳というご年齢もあり、現在は体調を崩されて入院を余儀なくされているのが現状です。それでも明弘さんは「絶対に救い出せると確信している」と語り、病床にある妻と同じ強い気持ちで娘の帰国を信じ続けています。
これまで拉致問題の解決に向けて闘いを続けてきた両親の姿を、一番近くで見守ってきたのが姉の尚子さんです。「今日まで本当に二人はよく頑張ってきた。この想いは誰かが引き継がなければならない」と言葉を詰まらせながらも、活動を継続していく並々ならぬ覚悟を口にされました。
ここで改めて、有本恵子さんが巻き込まれた「拉致問題」について解説します。これは1970年代から1980年代にかけて、北朝鮮の工作員により日本人が不当に連れ去られた国家主権の侵害行為です。恵子さんも23歳だった1983年に、留学先のロンドンから欧州を経由して北朝鮮へ拉致されました。
この長きにわたる苦難の歴史に対して、国際社会からも大きな関心が寄せられています。2019年6月にはアメリカのトランプ大統領から明弘さんへ直筆の手紙が届き、そこには「あなたはきっと勝利するだろう」という、問題解決への力強いメッセージが記されていました。
この激励に明弘さんは勇気づけられた様子で、「これは大統領の本音に違いない。私たちは絶対に勝つ」と拳を握りしめます。大国のリーダーからの言葉は、凍りついた現状を打破する大きな希望の光として、高齢となったご家族の心を今も支え続けているのでしょう。
SNS上でもこのニュースに対して多くの反響が寄せられており、「家族が元気なうちに一刻も早い再会を」といった祈りの声が溢れています。中には「私たちがこの悲劇を風化させてはならない」と、世論の関心を維持することの重要性を訴えるユーザーも少なくありません。
筆者は、この問題が単なる過去の事件ではなく、今なお現在進行形で続く人権侵害であると強く感じます。ご家族の高齢化が進む中で残された時間は決して多くはなく、政府には言葉だけの外交にとどまらない、迅速かつ具体的な進展を伴う行動を強く求めたいところです。
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