渋沢栄一が愛した深谷の郷土料理「煮ぼうとう」!老舗麺処「新吉」が仕掛ける地域活性化と絶品グルメの秘密

2024年に刷新される新1万円札の顔として、また2021年のNHK大河ドラマの主役として日本中で大きな注目を集めている渋沢栄一翁。彼がこよなく愛したとされる郷土の味が、埼玉県深谷市にあることをご存じでしょうか。それこそが、地元の名物として知られる「煮ぼうとう」です。この伝統的な料理を全国へ届けようと奮闘しているのが、深谷市に拠点を構える老舗製麺メーカーの「新吉」です。

インターネット上やSNSでも「渋沢栄一が愛した味を食べてみたい」「深谷ねぎがたっぷり入っていて本当に美味しそう」と、早くも期待を寄せる声が続々と集まっています。この煮ぼうとうとは、小麦粉を練って平らにのばした平麺(ひらめん)を、特産の深谷ねぎや季節の根菜と一緒に醤油ベースのスープでじっくり煮込んだ心温まる料理です。小麦の栽培が盛んなこの地域では、昔から各家庭の食卓で親しまれてきました。

新吉の小内睦夫社長は「この至高の美味しさを深谷の外部にいる人々にも広く浸透させたい」という熱い情熱を抱き、1988年に初の商品化へと踏み切りました。同社が製造する麺には、こだわりの国内産小麦が贅沢に使用されています。外国産の小麦とは異なり、少し素朴な色合いで太さにもあえて不揃いな部分を残しているのが特徴です。これによって、噛むほどに小麦本来の豊かな風味が口いっぱいに広がるでしょう。

地域全体を盛り上げるため、新吉はあえて「煮ぼうとう」の商標登録を行いませんでした。その背景には、市内のあらゆる飲食店でこのメニューを提供し、街全体の活気につなげてほしいという selfless(無私)の精神があります。さらに地元の仲間たちと「武州煮ぼうとう研究会」を組織し、味噌味で有名な山梨県の「甲州ほうとう」に味比べの真剣勝負を挑んだ歴史もあります。

この対決自体には惜しくも敗北したものの、果敢な挑戦は知名度を飛躍的に高める絶好の機会となりました。その結果、2007年に開催された「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」では、記念すべき初代王者の栄冠に輝いています。こうした地道な活動が実を結び、現在では多くの人々に愛されるブランドへと成長を遂げました。まさに、地域の絆が生み出した奇跡のエンターテインメントと言えます。

そして2020年1月11日、渋沢翁の生家である旧渋沢邸「中の家(なかんち)」のすぐ隣に、待望の郷土料理店「麺屋忠兵衛」がオープンしました。風情ある日本家屋の佇まいのなかで味わう熱々の煮ぼうとうは、訪れる人々に至福のノスタルジーを提供しています。これから渋沢翁のブームによって急増するであろう、多くの観光客の胃袋を掴む拠点になるに違いありません。

現在、新吉は約150種類もの多彩な麺商品を展開しており、大手スーパーのイオンやヤオコーをはじめとする約250社と取引を行っています。毎週土曜日に工場直活の直売所で開催される特売日には、平均して約400人もの買い物客が列をなすほどの盛況ぶりです。さらに、埼玉県北部や秩父地域の小中学校200校以上に向けて、安心安全な学校給食用の麺類も供給しています。

小内社長は、未来を担う子どもたちに向けて渋沢翁の功績を分かりやすく解説した冊子を執筆したほか、商品の包装や配送トラックの車体にもそのデザインを取り入れています。創業100年を超える偉大な老舗でありながら、決して現状に満足しない姿勢には感銘を受けます。伝統を守りつつも独自のキャラクターを活かし、常に攻めの姿勢で新商品開発に挑み続ける新吉の未来は、これからも非常に明るいでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました