日本の製造業を牽引する日本電産から、景気の波を感じさせる最新の決算が2020年1月23日に発表されました。2019年10月から12月期における連結決算は、本業の儲けを示す営業利益が前年の同じ時期と比べて15%も増加し、326億円に達したのです。四半期ベースでの営業増益は実に5四半期ぶりの快挙となります。
この頼もしい回復の背景にあるのは、中国市場での需要復活です。特に現地のエアコン向けとして、消費電力を抑える省エネ型モーターなどの高付加価値製品が大きく売上を伸ばしました。この実績に対してSNS上では、「中国経済の底打ち感がリアルに伝わってくる」「さすが日本電産の製品力」といった前向きな声が相次いでいます。
同社のトップである永守重信会長兼最高経営責任者は、2020年1月23日の説明会で「だいたい大底を打った」と力強く宣言しました。2018年後半から続いた苦しい減益トレンドから、ようやく脱出した格好です。変化の激しい市場環境をいち早く見極め、構造改革を断行してきた同社の経営手腕には、一編集者としても深い感銘を受けます。
激化するEV市場への先行投資と驚きの人事戦略
その一方で、未来への投資による産みの苦しみも垣間見えます。同社が次世代の柱として注力する電気自動車(EV)用の駆動モーター事業において、開発や生産体制を強化するための追加費用が2019年12月までに120億円も膨らみました。この影響により、通期の業績予想は今回で2度目の下方修正を余儀なくされています。
しかし、これは決して後ろ向きな減速ではありません。永守氏は、日産自動車の副最高執行責任者を務めていた関潤氏が、すでに日本電産へ入社している事実を公表しました。今後は彼に車載事業の舵取りを任せる方針です。このサプライズ人事には、ネット上でも「次期社長候補か」「EV事業の本気度が違う」と大きな話題を呼んでいます。
有望な市場で勝ち切るために、一時的な利益を削ってでも巨額の投資を行い、超大物人材を配置するスピード感は圧倒的です。足元の中国市場の回復を足がかりに、この先行投資が大きな実を結ぶ日はそう遠くないでしょう。短期的な数字に一喜一憂せず、未来のEV覇権を狙う日本電産の攻めの姿勢から、今後も目が離せません。
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