日本電産・永守重信氏との30年!日本精工の朝香聖一氏が語る「規格外の経営哲学」とベアリングが結んだ絆

世界を代表する総合モーターメーカーとして君臨する日本電産ですが、その黎明期を知る人物はそう多くありません。日本精工の名誉顧問を務める朝香聖一氏は、永守重信会長と30年以上にわたって深い親交を結んできました。かつて京都府亀岡市の小さな工場からスタートした同社が、いかにして頂点へと登り詰めたのか、その裏側には永守氏の圧倒的なエネルギーと執念があったのです。

朝香氏より2歳年下の永守氏は、当時から驚くほど「せっかち」な性格で周囲を圧倒していました。仕事において「できない」という言葉は許されず、納得がいくまでやり抜くことを求める姿勢は、まさに苛烈そのものです。工場の壁に掲げられた「去ってほしい社員の条件」という厳しい言葉の数々は、知恵を絞り泥臭く努力する者だけを信じるという、彼の揺るぎない覚悟の表れと言えるでしょう。

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「ワシが担保だ」資金難を突破した若き永守氏の凄み

2019年11月13日の取材に対し、朝香氏は当時の危うくも魅力的なエピソードを披露しています。新興企業ゆえに資金繰りに苦労していた頃、永守氏は「ワシ自身が担保だ、文句あるか」と言い放ち、銀行から融資を引き出していたそうです。技術力への絶対的な自信と、自らの命を懸けるほどの責任感が、周囲を動かしたのでしょう。経営者には、時にこのような猛烈なスタンスが必要なのかもしれません。

そんな二人も、ビジネスの場では火花を散らすことがありました。ある時、朝香氏がベアリングの価格適正化を新聞で訴えたところ、翌朝の8時31分に永守氏から「喧嘩を売っているのか」と怒鳴り込みの電話が入ったといいます。ベアリングとは、回転する軸を支えて摩擦を減らす「機械の産業の米」とも呼ばれる重要部品です。コストにシビアな永守氏に対し、朝香氏も一歩も引かずに反論したという逸話は、二人の対等な信頼関係を物語っています。

125歳まで現役!?互いを刺激し合う「仕事人」の友情

SNSなどでは「永守語録」はもはや伝説として語られていますが、朝香氏はその真髄を誰よりも理解しています。永守氏の毎日経済人賞の祝賀会で挨拶を頼まれた際、朝香氏は永守氏の厳格な母親のエピソードを引き合いに出し、彼の原点を称えました。苦労を苦労と思わず、目標を達成するまで突き進む「永守教」とも呼べる精神性は、今もなお多くのビジネスパーソンを惹きつけて止みません。

現在、日本精工と日本電産は、車のハンドル操作を補助する「電動パワーステアリング」などの製品を通じて、密接な協力関係にあります。互いの製品を採用し合い、刺激を受け続ける関係は理想的なビジネスパートナーの形と言えます。永守氏が掲げる「125歳まで現役」という壮大な目標に対し、朝香氏も「自分は127歳まで現役を続けなければ」と笑って応える姿には、生涯現役を貫くプロの矜持が溢れています。

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