キリンが描く100年先の未来図!「医と食」を繋ぐバイオ技術で挑む健康経営への大転換

キリンホールディングスの磯崎功典社長が、2019年11月18日に開催された「日経フォーラム世界経営者会議」にて、激動の時代を生き抜くための新たな羅針盤を提示しました。2015年の社長就任以来、磯崎氏は赤字続きだったブラジル事業の売却といった大胆な構造改革を断行し、どん底からのV字回復を果たしています。しかし、1907年の創業から数えて現在が最も過酷な経営環境であると、強い危機感を露わにしました。

既存のビール事業が中心のままでは、持続可能な経営は難しいという判断から、磯崎社長は二つの大きな決断を下しています。その柱となるのが「CSV経営」の実践です。CSVとは「Creating Shared Value(共通価値の創造)」の略称で、企業の持つ強みで社会問題を解決しつつ、ビジネスとしての利益も同時に生み出す次世代の経営モデルを指します。単なる社会貢献活動に留まらない、企業の生存戦略そのものといえるでしょう。

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アルコールから健康領域へ!発酵技術が起こすイノベーション

世界的に健康意識が高まる中、過剰な糖分摂取を抑える「砂糖税」の導入や海洋プラスチック問題など、飲料メーカーを取り巻く課題は山積みです。特に主力であるアルコール事業は、WHO(世界保健機関)でも健康への影響が厳しく議論されており、かつてない逆境に立たされています。しかし磯崎社長は、お酒が心豊かな生活に貢献することを信じつつも、負の側面から目を背けず、正面から向き合う覚悟を強調されました。

そこで成長の鍵を握るのが、キリンが1980年代から培ってきた「発酵・バイオ技術」です。2007年の旧協和発酵工業との統合で得た知見を活かし、現在は「医と食をつなぐ事業」への本格的なシフトを目指しています。病気になってからの「治療」だけでなく、日々の食事を通じた「予防」の領域でイノベーションを起こそうとしているのです。2019年にはファンケルとの資本業務提携も発表し、その勢いは加速しています。

SNS上では「ビール会社が医薬や健康食品に本腰を入れるのは意外だが、合理的だ」という驚きの声や、「キリンのプラズマ乳酸菌などは技術力の証明。応援したい」といった期待が寄せられています。私個人としても、嗜好品を提供する企業が自ら健康課題に踏み込む姿勢は、非常に誠実であり勇敢だと感じます。従業員3万人の運命を背負い、正しい方向へ舵を切る磯崎社長の采配は、日本の製造業が目指すべき一つの指針となるはずです。

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