沖縄県の養豚場を襲った豚熱(当時の呼称:豚コレラ)の感染拡大について、新たな事実が判明いたしました。農林水産省の有識者委員会は、2020年1月23日までに専門家による検討会を開催し、その感染ルートに関する見解を公表しています。驚くべきことに、豚に与えられていた「食品残さ」がウイルスの媒介となった可能性が濃厚になってきました。
食品残さとは、飲食店や一般家庭から出た残飯などの食品由来の廃棄物のことです。これを養豚用の飼料(エコフィード)として再利用する取り組みは環境に優しい反面、安全性の管理が欠かせません。本来であれば、病原体を死滅させるために法律で義務付けられた基準での加熱処理を行う必要があります。しかし、沖縄県で最初に感染が確認された農場では、この必要な過熱工程を怠ったまま豚に餌として与えていた事実が突き止められました。
この生ゴミ同然の餌の中にウイルスに汚染された肉製品などが混入しており、それを食べた豚たちが次々と感染していったシナリオが浮き彫りになっています。幸いにもウイルスの遺伝子を解析した結果、今回のケースにおいて海外から新たなウイルスが直接侵入した形跡は見られないとのことです。それでも、国内でのずさんな飼料管理が引き金となった事実は重く、SNS上でも「義務化されている加熱をなぜ怠ったのか」「命を預かるプロとしての意識が低すぎる」といった厳しい批判の声が相次いでいます。
事態を重く見た農林水産省は、2020年1月23日に全国の都道府県に対して一斉に養豚場への立ち入り検査を行うよう急に要請しました。エコフィードを利用している全ての農家において、十分な加熱処理が実施されているかを厳格にチェックする構えです。豚熱は2018年9月に岐阜県で発生して以来、野生のイノシシを媒介しながら中部地方や関東地方へと瞬く間に拡大し、ついに2020年1月には海を越えた沖縄県うるま市でも確認される事態となってしまいました。
今回の騒動は、一箇所の不適切な管理が業界全体を揺るがす大損害に繋がるという教訓を私たちに示しています。もちろん、感染した豚の肉が市場に出回ることはありませんし、仮に人間が食べても健康に影響はありません。しかし、日本の養豚業を守るためには、ルールを遵守した徹底的な防疫対策が不可欠でしょう。消費者としても過度に恐れることなく、正しい知識を持って日本の畜産業界の再起を応援していきたいものです。
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