台風と増税のダブルパンチ?長野県景況感DIが4期連続で悪化、反動減に苦しむ県内経済の行方と打開策

長野県内のビジネスシーンに、少々厳しい風が吹き荒れています。長野経済研究所が2020年01月24日に発表した最新の業況アンケート調査によると、2019年10月から2019年12月期における県内全産業の景況感が大幅に落ち込んでいることが明らかになりました。

景気の方向性を示す指標である「業況判断DI(ディフュージョン・インデックス)」は、前回の調査に比べて10.2ポイントも下落し、マイナス31.0という数字を記録しています。これは景気が「悪い」と答えた企業が「良い」と答えた企業を大きく上回っている状態を意味しており、これで4期連続の悪化となりました。

SNS上でもこの結果に対して、「信州のリンゴ農家や工場が受けた打撃は想像以上だった」「消費税が上がってから、確かに買い物の頻度が減った気がする」といった、地元の生活者やビジネスパーソンからのリアルな不安の声が数多く寄せられています。

今回の冷え込みの背景には、中国経済の減速によって企業の投資が世界的に手控えられたことがあります。これに加えて、日本国内で2019年10月に実施された消費税率10パーセントへの引き上げ、さらには同月に東日本を襲った台風19号による甚大な被害という、まさに三重苦が重なった格好です。

特に製造業の落ち込みは深刻で、DIは10.0ポイント悪化のマイナス34.7となりました。専門用語である「DI」とは、ビジネスの現場の「生の声」を数値化したもので、今回は産業用機器などの分野で、これまで「曇り」だった見通しが「小雨」へと文字通り悪化しています。

また、台風19号は長野県の誇る大自然の恵みにも影を落としました。一部の工場が浸水被害に遭っただけでなく、北信地域を中心にリンゴなどの原材料調達が困難になり、飲料製造業の景況感も大きく揺らいでいます。自然災害が地域経済に与える爪痕の深さを痛感せざるを得ません。

一方で、非製造業もマイナス27.6と苦戦が続いています。これは百貨店やスーパーといった大型小売店が、消費税増税前の「駆け込み需要」の反動減から抜け出せていないためです。事前の買い込みが大きかった反動で、増税後は消費者が財布の紐を固く締めている様子が伺えます。

私は、この現状を単なる一時的な不況と捉えるべきではないと考えています。長野県が持つ高い技術力や豊かな観光資源を活かし、外的要因に左右されにくいタフな経済構造へシフトするチャンスにするべきでしょう。今こそ地元企業への手厚い支援と、地域一体となった消費喚起が求められます。

明るい兆しも見えてきました。2020年01月から2020年03月期の予測では、全産業でマイナス25.7へとやや持ち直す見通しです。これは、泥沼化していたアメリカと中国の貿易交渉が「第1段階の合意」に達したことで、世界経済の先行き不透明感が和らいだためだと言えるでしょう。

冬の寒さが厳しい長野県ですが、春に向けて企業マインドは少しずつ前を向き始めています。今回の落ち込みを底にして、ここから信州経済が力強い回復の軌道に乗ることを切に願ってやみません。官民が手を取り合い、この難局を乗り越えていく姿勢に今後も注目が集まります。

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