大阪の空の玄関口である大阪国際空港(伊丹空港)が、さらなる進化を遂げます。関西エアポートは2020年1月24日、ターミナルビルの改修を終え、2020年7月にグランドオープンすることを発表しました。これまでの歴史を感じる佇まいから、最先端の快適性を備えた空間へと生まれ変わる一大プロジェクトです。東京五輪・パラリンピックの開催を控え、国内外から訪れる多くの観光客を温かく迎える準備が着々と進められています。
SNS上でもこの発表は大きな話題を呼んでおり、「保安検査を終えた後に美味しいご飯が食べられるのは嬉しい」「あの伊丹空港がどう変わるのか今から楽しみ」といった期待に満ちた声が多数寄せられていました。今回のリニューアルにおける最大の注目ポイントは、保安検査を通過した後に広がる、これまでにない大規模な商業エリアの誕生でしょう。搭乗直前まで、大阪や関西の豊かな食文化や買い物を心ゆくまで堪能できる設計が施されています。
ウオークスルー型エリアで楽しむ関西の味とスマートレーンの威力
新たに誕生する商業エリアは、利用者がお店を巡りやすい「ウオークスルー型」という構造を採用しています。これは、通路と店舗の境界をなくし、歩いているだけで自然に買い物が楽しめる先進的なレイアウトのことです。エリア内は飲食と物販のゾーンに分かれ、出店数は従来の約3倍となる31店舗にまで拡大します。日本茶スイーツで名高い「中村藤吉本店」や、出汁の効いたうどんが絶品の「道頓堀今井」など、関西を代表する名店が勢揃いする予定です。
店舗の充実と同時に、旅のストレスを軽減する仕組みも導入されます。最新の「スマートレーン」と呼ばれる保安検査装置が、これまでの4台から14台へと大幅に増設される計画です。このスマートレーンとは、複数の人が同時に検査の準備を行える次世代型のシステムを指します。試験導入では1時間あたりの処理能力が35%も向上した実績があり、これにより長蛇の列に並ぶ時間が劇的に短縮され、出発前のひとときを優雅に過ごせるようになるでしょう。
発着規制を跳ね返す「非航空系収入」への挑戦と関西の底力
今回の総額300億円以上を投じた大改修の背景には、空港の経営基盤を強固にする戦略があります。伊丹空港は周辺環境への配慮から、運用時間が午前7時から午後9時まで、1日の発着回数は370回までという厳しい規制の中で運営されています。そのため、航空会社から得る着陸料などの収入をこれ以上大きく増やすことは容易ではありません。そこで注目されたのが、商業施設の売り上げといった「非航空系」と呼ばれる分野の収入拡大です。
これまでの航空機に乗るためだけの場所から、訪れるだけでワクワクする場所へと変貌を遂げる伊丹空港の試みは、非常に理にかなった素晴らしい戦略だと感じます。関西3空港の2019年の総旅客数は5178万人を記録し、初めて5000万人の大台を突破するなど勢いに乗っています。厳しい制約をアイデアと魅力的な空間づくりで乗り越え、地域の魅力を発信し続ける新生・伊丹空港は、日本の空港ビジネスの新たなモデルケースとなるに違いありません。
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