地球温暖化への対策が急務となる中、ヨーロッパとアメリカの間で新たな経済の戦火が広がろうとしています。英紙フィナンシャル・タイムズは2020年01月26日、欧州連合が導入を計画している環境規制に対して、米国のロス商務長官が厳しい対抗措置を講じる可能性を示唆したと報じました。この発言は、環境問題を起点とした新たな貿易摩擦の幕開けを予感させています。
欧州連合が目指す「国境炭素税」とは、環境への配慮が不十分な国から輸入される製品に対して、事実上の関税を上乗せする仕組みのことです。これは、二酸化炭素の排出削減に消極的な国々で作られた安価な製品が流入し、自国の厳しい環境基準を守るクリーンな企業が不利益を被る事態を防ぐために考案されました。つまり、環境規制の緩い国への「ペナルティ」としての側面を持っています。
この画期的な税制が狙いを定めているのが、国際的な温暖化対策の枠組みである「パリ協定」からの離脱を表明したアメリカです。これに対し、ロス商務長官は「その実態が特定の国を排除する保護主義的なものであれば、断固として報復する」と強く牽制しました。環境重視の姿勢を打ち出す欧州の新体制と、自国利益を最優先するトランプ政権との間の溝は、深まる一方と言えるでしょう。
ネット上ではこのニュースに対し、「環境先進国としての欧州の姿勢を支持する」「気候変動への対応を貿易の道具にするべきではない」という賛同の声が多く上がっています。その一方で、「アメリカの製品が排除されれば、世界経済がさらに冷え込むのではないか」「日本企業への影響も無視できない」といった、実体経済への悪影響を懸念するシビアな意見もSNS上で飛び交っている状況です。
トランプ米大統領は2020年01月22日に、欧州との新たな貿易協定の早期締結に向けて前向きな姿勢を見せたばかりでした。しかし、欧州車の関税引き上げを武器に圧力をかける米国に対し、欧州側も環境という大義名分を掲げて一歩も引かない構えです。気候変動へのアプローチの違いが、今後の世界貿易を大きく揺るがす深刻な火種になることは避けられないでしょう。
編集部の視点としては、欧州が推進するこの試みは地球の未来を守るために不可欠な一歩であると考えます。しかし、それが単なる政治的駆け引きや保護主義の隠れみのになってしまっては本末転倒です。環境保護という共通の正義が、経済的な報復合戦の道具として消費されるのではなく、世界が協調してグリーンな社会へ移行するための健全なルール作りに発展することを切に願います。
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