EUが動く!地球を救う「国境炭素税」とは?日本の脱炭素への影響と対策を徹底解説

世界中で異常気象による被害が相次ぐ中、地球温暖化防止への取り組みが急ピッチで進んでいます。そんな中、欧州連合(EU)が2019年12月に非常に大胆な方針を打ち出しました。なんと2050年までに域内の温室効果ガス排出量を実質ゼロにするため、環境対策が不十分な国からの輸入品に課税する「国境炭素税」という画期的な構想を発表したのです。SNS上では「ついにここまで来たか」「実質的な環境関税だ」と、その先進性と影響力の大きさに驚きの声が広がっています。

そもそも炭素税とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を排出する化石燃料などに課税する仕組みのことで、日本を含む約30カ国がすでに導入しています。しかし、これらはすべて国内の消費を対象としたものでした。国境を越えて輸入品に税を課すという試みは世界で初めての挑戦であり、国際社会に大きな一石を投じることになるでしょう。EUは、製造工程で大量の温室効果ガスを出す鉄鋼などを対象に、早ければ2021年にもこの新しい課税制度を開始する方針を固めています。

これまでこうした輸入品への課税が手つかずだった背景には、世界貿易機関(WTO)による厳しいルールが存在します。WTOは加盟国間での差別的な関税を原則として禁じているため、特定の輸入品だけに税を課すことは「禁じ手」とされてきました。それでもEUがこの強硬とも言える手段に踏み切ったのは、域内の企業を守るためです。専門家によると、EUが2005年から運用している「排出枠取引(企業間で排出できる量を売買する制度)」の価格が、近年急激に跳ね上がっていることが大きな理由だといいます。

実際に、イギリスの調査機関のデータによれば、2020年1月時点の排出枠価格はCO2の1トンあたり24ユーロ(約3000円)に達しており、わずか2年前の3倍という異例の高騰を見せています。これは航空業界などを中心に、環境対策をアピールする企業が急増して買い手が増えたためです。しかし、この価格上昇は欧州企業の製造コストを押し上げ、国際舞台での競争力を低下させる原因になります。そこで、域外のクリーンではない製品に課税し、公平な競争環境を整えようという狙いがあるのでしょう。

私は、このEUの決断は世界の産業構造を根底から変える素晴らしい起爆剤になると確信しています。これまでは「環境に配慮すると損をする」という歪んだ構図がありましたが、国境炭素税によって「クリーンなものづくりをしなければ世界で売れない」という新しい常識が生まれるからです。この動きはタイやセネガルといった新興国にも急速に波及しており、もはや世界的なトレンドと言えます。日本も2050年までに温室効果ガスを8割削減するという目標を掲げており、決して他人事ではありません。

現在、日本ではエネルギーに対して年間約5兆円の税金が課されていますが、その7割がガソリンや石油に偏っています。ガソリンにはCO2の1トン換算で約2万4000円も課税されている一方で、排出量の多い石炭は1000円未満という不均衡な状態です。専門家からも、環境負荷の高い石炭火力発電への批判が強まる中で、この不公平な課税バランスを見直すべきだという声が上がっています。一律で5000円の炭素税を導入すれば、経済を停滞させずに排出量を1割減らせるという試算もあり、日本も今すぐ本格的な議論を始めるべきでしょう。

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