伝統芸能の世界から、ファンを歓喜させる最高峰のニュースが飛び込んできました。日本経済新聞社が主催する「日経能楽鑑賞会」にて、同じ演目を異なる流派がそれぞれ披露する「異流競演」が鮮やかに復活を遂げます。今回選ばれた演目は、切ない恋心を描いた名作として名高い「綾鼓(あやつづみ)」です。ネット上やSNSでも「この二大巨頭の競演を同じ月に観られるなんて贅沢すぎる」「流派による表現の違いを堪能したい」と、すでに大きな反響を呼んでいます。
ここで能楽における「流派」について少し解説しましょう。能にはいくつかの家系やグループが存在し、これを流派と呼びます。今回はシテ方(主役を演じる流派)の中でも、最大勢力であり繊細かつ劇的な表現が特徴の「観世(かんぜ)流」と、華麗な舞とダイナミックな動きで知られる京都の「金剛(こんごう)流」が激突します。同じ「綾鼓」という戯曲であっても、流派が違えば節回しや所作、舞台全体の雰囲気がガラリと変わるため、その対比は一見の価値があるでしょう。
気になる公演日程ですが、まずは2020年6月2日火曜日の午後18時から、観世流の名手として名高い浅見真州氏が舞台に立ちます。続いて2020年6月11日木曜日の午後18時からは、金剛流二十六世宗家である金剛永謹氏がその至高の芸を披露する予定です。さらに、それぞれの日の開演を飾る狂言には、野村万作氏と野村萬氏という、これまた人間国宝級の演者による「悪太郎」がラインナップされており、どこを切り取っても隙のない極上の2日間と言えます。
筆者の視点としても、今回の異流競演は単なる鑑賞会を超えた、歴史的な芸術のクロスオーバーであると感じています。異なる流派の美学がぶつかり合うことで、現代に生きる私たちに能の多様性と奥深さを再発見させてくれるに違いありません。会場は東京・千駄ケ谷の国立能楽堂で、チケットは2020年2月6日木曜日の午前10時から前売りが開始されます。両日を楽しめるお得なセット券も用意されているため、ぜひこの貴重な機会を体験してみてください。
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