お酒を愛する人たちの聖地として知られる高知県で、春の訪れを告げる大人気イベントが今年も幕を開けます。それが、街全体が巨大な宴会場へと変貌を遂げる土佐の「おきゃく」です。ちなみに「おきゃく」とは、土佐弁で「宴会」を意味する言葉になります。高知市の中心部にある商店街や公園といった路上に、有料・無料の座敷やテーブル席がずらりと出現する光景は圧巻の一言に尽きるでしょう。来場者が青空のもとでひたすらお酒を酌み交わし、土佐流の豪快なもてなしを心ゆくまで堪能できるのが最大の魅力です。
記念すべき15回目の節目を迎える2020年は、2020年3月7日から2020年3月15日までの9日間にわたって開催される予定となっています。この一大プロジェクトの舵取りを行うのは、前年に引き続き実行委員長に就任した友田由美さんです。高知市内で飲食店を経営している彼女は、まさに土佐弁で元気な女性を象徴する「はちきん」そのものと言えます。委員長になる前からスタッフとして現場を支え続けてきた友田さんは、誰よりもこのお祭りの魅力を知り尽くしている素晴らしいリーダーです。
SNS上でも「はちきんの実行委員長と一緒に飲めるのが楽しすぎる」「高知のエネルギーを肌で感じるお祭り」と、すでに大きな反響を呼んでいます。友田さん自身も、観光客の皆さんと笑顔で杯を交わしたり、ユニークなかぶり物姿で記念写真に応じたりと、現場の盛り上げ役に余念がありません。「実行委員長にとって、何よりもたくさん飲むことが一番の大切な仕事」と明るく笑う姿が非常に印象的です。トップが全力で楽しむ姿勢こそが、多くの人々を惹きつける最大の秘訣なのでしょう。
ただ楽しいだけで終わらせないのが、現代のイベントに求められる重要な視点だと私は考えます。華やかな歌や踊りで盛り上がる宴は毎晩午後21時に終わりを迎えますが、その後に残される大量の食べ残しやプラスチックゴミの削減が喫緊の課題でした。そこで友田さんは、美しい街を守るためのクリーンな取り組みを打ち出しています。おもてなしの心はそのままに、環境への配慮も忘れない姿勢からは、地域を愛する強い責任感が伝わってきて深く感銘を受けました。
具体的な対策として、来場者へ向けて「ごちそうは残さず綺麗に食べよう」という呼びかけを徹底しています。さらに、物販スペースで販売される生ビールについては、プラスチックカップを1人1個に限定する試みが導入されました。おかわりをする際は、同じカップにそのまま継ぎ足していく画期的なルールとなっています。こういった小さな意識改革の積み重ねが、持続可能なイベント文化を育てるはずです。私たちは美味しいお酒を楽しみつつ、マナーもしっかり守りたいものですね。
年々盛り上がりを見せるこのお祭りは、2019年には総来場者数が8万人弱にまで達しました。そして2020年は、ついに大台となる10万人の動員を目標に掲げています。その達成に向けた戦略の鍵を握るのが、増加傾向にある外国人観光客の存在です。友田さんは「まずは各店舗のメニューを多言語化することから着実に進めたい」と意気込みを語ってくださいました。日本の伝統的な宴会文化を世界へ発信する、絶好のチャンスが訪れていると言えるでしょう。
言葉の壁を越えて誰もが笑顔で乾杯できる、そんな非日常の特別な空間がここには広がっています。高知の温かい人情と美味しいお酒に包まれる時間は、訪れたすべての人の心に深く刻まれるに違いありません。地元の熱い想いと環境への優しさが融合した土佐の「おきゃく」は、これからもさらなる賑わいを見せてくれそうです。この春は大切な人を誘って、熱気あふれる高知の路上宴会へお出かけしてみてはいかがでしょうか。
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