2019年11月18日、東京の空の下で農業の未来を大きく変える熱いイベントが幕を開けました。日本経済新聞社が主催する「AG/SUM(アグサム) アグリテック・サミット」です。「アグリテック」とは、農業(Agriculture)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、最新テクノロジーで農業課題を解決する試みを指します。会場は、これからの食を支える知恵と技術が集結し、熱気に包まれています。
初日の大きな注目を集めたのは、全国農業協同組合連合会(JA全農)の山崎周二理事長による講演でした。山崎氏は「日本の農業がさらなる生産性を手に入れるためには、ITの活用が絶対に欠かせない」と言い切ります。SNS上でも「JAがここまでIT化に本腰を入れるのは心強い」「スマート農業がようやく身近になってきた」と、期待を込めた好意的な反応が数多く見受けられました。
宇宙からの視点とロボットが変える現場のカタチ
具体的な施策として紹介されたのが「リモートセンシング」の活用です。これは、人工衛星やドローンを使って地上を遠隔測定する技術で、作物の育ち具合を空から一目で把握できます。このデータを活用すれば、必要な場所にだけピンポイントで農薬を散布する効率的な運用が可能になるでしょう。これまでの経験や勘に頼っていた作業が、科学的なデータに基づいた精密なものへと進化を遂げるのです。
さらに会場では、トマトの箱詰めを行うロボットの開発動画も公開されました。山崎氏は「生産現場はもちろんのこと、食品が消費者に届くまでの流通プロセスにおいてもロボット技術の実装が急務である」と強調します。少子高齢化による人手不足が深刻な課題となる中で、こうした自動化技術はまさに救世主と言えるでしょう。単なる作業の代替ではなく、人間を重労働から解放する一歩だと私は確信しています。
持続可能な農業を支える多様性と革新の波
国際的な視点では、国連食糧農業機関(FAO)のピエールマリ・ボスク氏が登壇しました。国連が定めた2019年から2028年までの「家族農業の10年」について触れ、農村における女性のリーダーシップ確立や、次世代を担う若者へのスムーズな継承が重要だと訴えます。多様な担い手が育つ土壌を作ることこそが、世界的な食糧問題を解決する根幹になるという視点は、非常に示唆に富むものでした。
最後に、農林水産省の伊東良孝副大臣からは、ベンチャー企業の育成やオープンイノベーションを後押しする力強い方針が示されました。オープンイノベーションとは、組織の壁を越えて技術やアイデアを出し合う仕組みのことです。官民が一体となって新しい風を吹き込むこの動きは、日本の農業を「守り」から「攻め」へと転換させる大きな原動力となるはずです。今、私たちは農業の歴史的な転換点に立ち会っているのです。
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