2020年1月10日の国内債券市場において、償還までの期間が10年を超える「超長期国債」の利回りが上昇しました。これに伴い債券価格は下落へと転じています。なかでも40年債の利回りは0.475%に達し、前日比で0.010%上昇する形となりました。これは約1ヶ月ぶりの高水準であり、市場関係者の間で大きな注目を集めています。今回の変動は、国を巡る政治的緊張である地政学リスクの緩和が背景にあるようです。
少し前まで緊迫していた米国とイランの対立懸念が和らいだことで、投資家の心理に変化が生じました。主要な指標となる10年債の利回りが再びプラス圏へ戻るとの見方が浮上したのです。その結果、これまで消去法的に選ばれていた超長期債への需要が細る結果となりました。SNS上でも「金利の動きが活発になってきた」「今後の運用戦略を見直すタイミングかもしれない」といった、市場の先行きを注視する声が多数上がっています。
中長期債とは対照的な動きを見せる超長期債市場の現状
同日には30年債の利回りも一時、前日比0.015%高い0.445%を記録しました。こちらは約2週間ぶりの高水準となります。2年債や10年債といった「中長期債」の利回りが低下したのとは、実に対照的な動きと言えるでしょう。専門家は、中東の政治的緊迫感が薄れたことで10年債の利回りがプラスへ転じる可能性が意識され、超長期債への投資を控える動きに繋がったと分析しています。安定資産としてのバランスが変化している模様です。
別の視点からは、明確な悪材料が出たわけではなく、2019年末にかけて買い進まれたことへの反動であるという意見も聞かれます。また、40年債は2ヶ月に1度の入札を2020年1月下旬に控えている状況です。そのため、事前に手持ちの資産を整理する「持ち高調整」の売りが出やすい局面にあります。2020年1月9日にも10年債の利回りが0%をつけ、約2週間ぶりの高水準となったことで、投資家の選択肢が広がりつつあるのでしょう。
筆者の見解として、今回の金利上昇は一時的な需給の揺らぎであり、市場の崩壊を意味するものではないと考えます。生命保険会社をはじめとする国内の機関投資家にとって、少しでも高いプラス金利を確保できる超長期債は依然として魅力的な存在です。そのため、利回りがこのまま際限なく上昇を続ける可能性は低いと予想されます。投資家は過度に不安視せず、今後の入札結果や国際情勢を冷静に見極める姿勢が求められるでしょう。
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