AIは「不正会計」を見抜けるか? 日本公認会計士協会・手塚次期会長が語る「監査の未来」と信頼回復への道筋

東芝の不正会計問題などで、企業の決算書をチェックする「会計監査」への信頼が大きく揺らいでいます。この危機的な状況の中、2019年7月に日本公認会計士協会のトップに就任する手塚正彦氏(当時57歳)が、2019年5月28日までにメディアの取材に応じ、信頼回復に向けた大胆な改革案を明らかにしました。その切り札は、なんと「AI(人工知能)」の積極的な導入です。SNSでは「AIで監査は変わるか?」「会計士の仕事がAIに奪われるのでは?」と、期待と疑問の声が上がっています。

「会計監査」とは、企業が作成した財務諸表(決算書)が正しいかどうかを、独立した第三者である公認会計士が厳しくチェックする作業です。手塚次期会長は、この監査の「現場力」を高めるため、AIに過去の不正事例を徹底的に学習させ、リスクの兆候を自動で分析できる環境を整えたいと語りました。これにより、会計士が単純作業から解放され、より高度な分析や経営者との対話といった「監査の中核業務」に集中できる体制を目指すとしています。

このテクノロジー導入の恩恵は、大手監査法人だけのものではありません。当時、大企業を中心に進んでいた、紙ベースだった取引先への「残高確認」(売掛金などが本当に存在するかを確認する手続き)のオンライン化などを、中小の監査法人でも導入しやすくするための体制整備も進めると表明しました。業界全体のIT化を底上げする狙いがあるようです。

さらに手塚氏は、もう一つの重要な柱として「女性会計士の活躍推進」を掲げました。当時15%程度にとどまっていた女性の比率を、将来的には30%まで引き上げるという高い目標を設定。その実現のため、安全なセキュリティ対策を講じた上での「在宅勤務」を可能にするなど、多様な働き方を支援する考えを強調しました。AIという最先端技術と、多様性の推進。この両輪で、失われた監査への信頼を取り戻すことができるのか、手塚新会長の手腕が問われることになります。

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