日本の半導体製造装置大手、東京エレクトロンが2019年5月27日、市場に大きなインパクトを与える発表を行いました。それは、総額1500億円にも上る大規模な「自社株買い」の実施です。2015年以来、約4年ぶりとなるこの一手(いって)に、SNSでは「待ってました!」「1500億は本気度が違う」と、株主や投資家から歓迎の声が上がりました。「自社株買い」とは、企業が市場から自社の株式を買い戻す行為を指します。これにより市場に出回る株式数が減るため、1株あたりの価値が向上し、株価の上昇や株主への還元強化が期待されます。
このタイミングでの実施には明確な背景があります。当時、スマートフォンの需要減速などの影響を受け、半導体需要が世界的に下振れしており、同社の株価も2018年から低迷気味でした。一方で、企業の体力はむしろ強化されており、2019年3月末時点での手元の「現金同等物」(すぐに使える現預金や短期投資など)は3926億円と、潤沢な資金を保有していたのです。この豊富な資金を活用し、株価対策と株主還元の両方を狙った戦略的な一手(いって)と言えるでしょう。
この自社株買いは、2019年5月28日から2019年12月31日にかけて実施され、発行済み株式の8.5%(1400万株)を上限としています。さらに同社は、逆風下でも強気な姿勢を見せ、中期的な業績目標の見直しも同時に発表しました。具体的には、2024年3月期までに「自己資本利益率(ROE)」で30%以上を目指すというものです。ROEとは、株主が出したお金(自己資本)でどれだけ効率よく利益を稼いだかを示す指標であり、30%は世界的に見ても非常に高い水準です。これは、短期的な株価対策だけでなく、中長期的な成長への自信の表れでもあります。
コメント