ビジネスを取り巻く環境が激変する現代において、日本のリーダーたちにはこれまでにないスピード感と決断力が求められています。2019年12月4日に成立した改正会社法では、役員が訴訟を提起された際の費用や賠償金を会社がカバーできる仕組みが明確に盛り込まれました。これによって経営陣が守られ、攻めの経営へ転換することが期待されています。しかし、企業統治のスペシャリストであるプロネッドの酒井功社長は、この法改正だけでは日本企業が時代に即した挑戦を行うにはまだ不十分であると警鐘を鳴らしているのです。
SNS上でもこの話題は大きな注目を集めており、従来の守りの姿勢から脱却できていない現状を憂う声が多数寄せられました。多くのビジネスパーソンが、形だけのルール変更ではなく実質的な意識改革が必要だと感じているのでしょう。酒井氏が主張するガバナンス改革の第一の柱は、役員の給与における業績連動の割合を大幅に増やすことです。ここで重要になるのが、役員の待遇を決定する「報酬委員会」という組織になります。これは社外取締役などが中心となり、客観的な視点でリーダーの評価や報酬を決めるガバナンス体制のことです。
この報酬委員会の設置を法律で義務付け、単なる給与決定機関ではなく、経営陣の実績を厳正に審査する場へと進化させるべきだと酒井氏は提案します。私個人としても、この意見には強く賛同せざるを得ません。なぜなら、成果に対する明確な見返りと責任がセットになって初めて、経営者は真のリスクを背負う覚悟を持てるからです。守られた環境のままでは、現状維持の選択肢に逃げてしまうのは無理もありません。トップが本気で挑戦できる土台を整えることこそが、停滞する日本経済を活性化させる特効薬になるはずです。
さらに酒井氏は、もう一つの抜本的な改革として、社長が自身の強い意志と責任によってスピーディーに決断を下せる環境作りを挙げています。ここで問題視されているのが、退任した社長が「会長」などの役職に就いて社内に残り続ける日本特有の商習慣です。前任者が身近にいる環境では、新社長が大胆な舵取りを躊躇してしまうのは当然だと言えます。引き継ぎが完了した先輩経営者は速やかに籍を置き、その豊かな経験を他社の「社外取締役」として活かすべきだという提言は、非常に合理的で日本の産業界全体を救う妙案です。
ネットでは「老害の排除が必要だ」といった過激な意見も見られますが、本質はそこではありません。偉大な先輩たちの知見を自社に囲い込まず、外の世界へ流動化させることで、日本全体のガバナンス力を底上げすることに本当の価値があります。経営のバトンタッチを完全なものにし、現役のトップが全責任を負って爆速でイノベーションを推進する体制を作らなければなりません。法律が変わった今だからこそ、企業は内側から仕組みを激変させる勇気を持つべきであり、それこそが真の企業統治と言えるでしょう。
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