新型コロナで観光ピンチ?中国の海外団体旅行禁止がもたらすインバウンドへの衝撃とこれからの展望

中国の武漢から広がっている新型コロナウイルスの感染を抑え込むため、中国政府が国を挙げた海外への団体旅行禁止という異例の措置に踏み切りました。この決定により、これまでアジアからの観光客で賑わっていた九州や沖縄の観光地、そして小売業界に激震が走っています。特にインバウンド、つまり訪日外国人観光客の消費に大きく頼ってきた地域では、宿泊のキャンセルが相次ぐなど、深刻な影響が目立ち始めてきました。

SNS上でもこのニュースは瞬く間に拡散されており、現地の状況を心配する声が多数寄せられています。「せっかくの稼ぎ時である春節なのに、街が閑散としていて寂しい」「お店やホテルの経営は大丈夫なのだろうか」といった観光業を気遣う投稿が目立ちます。その一方で、「感染拡大を防ぐためには今回の厳しい移動制限も仕方が近道なのかもしれない」と、中国政府の迅速な決断に対して一定の理解を示す複雑な胸中を吐露するユーザーも少なくありません。

2020年1月27日の朝、博多港には上海を出発した大型クルーズ船が到着しました。この船は本来であれば2500人もの人々を乗せられる規模を誇りますが、実際にタラップを降りてきた中国からの乗客は631人にとどまっています。これまでは満席に近い状態で海を渡ってくるケースが主流だっただけに、ウイルスの脅威による旅行控えが如実に表れた形と言えるでしょう。さらに翌日以降に予定されていた大型客船の寄港も、次々と中止が決定しています。

大分県の別府港や沖縄県の平良港でも2020年2月にかけてクルーズ船の受け入れ中止が決定しており、観光地は対応に追われています。九州運輸局のデータによると、2019年1月から10月までに九州を訪れた中国人は111万人を超え、外国人観光客全体の約3割を占める大得意様でした。しかも、その大半がクルーズ船を利用した団体客だったため、今回の禁止令が地域経済に与える打撃は、計り知れないほど大きいものになりそうです。

中国の旧正月である春節の特需を期待していた百貨店やホテルからは、悲痛な叫びが上がっています。福岡市内の百貨店では、2020年1月25日以降に化粧品ブランドの売り上げが半分にまで落ち込む店舗が出現しました。日韓関係の冷え込みで激減していた韓国人観光客がようやく戻り始めた矢先の出来事だけに、関係者のショックは隠せません。沖縄の有名ホテルでも1000人規模の予約が取り消され、今後のさらなる客足の減少に身構えています。

今回の危機において懸念されるのが、事実とは異なる噂によって被害を受ける風評被害や、一括りにした過度な自粛ムードです。佐賀県の宿泊施設では、日本人客から「中国人が泊まるなら宿泊を辞めたい」という問い合わせが届き、現場は困惑しています。一方で、同じ温泉地でも由布院のように個人旅行者がメインのエリアでは、現時点で目立った解約は見られません。このように、客層の違いによって影響の度合いが異なる点には注目すべきです。

専門家は、2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)が終息するまでに約半年の期間を要した例を挙げ、今回の騒動も長期化する恐れを指摘しています。もし影響が数ヶ月に及べば、地域経済へのダメージは深刻です。しかし私は、この危機を「特定の国や団体客に依存しすぎない観光インフラ」へと脱皮するための転換期にすべきだと考えます。今は感染対策を徹底しつつ、多様な旅のスタイルを受け入れる魅力を磨く時ではないでしょうか。

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