自動車業界とIT業界の巨頭が手を組んだ一大プロジェクトが、いま驚異的なスピードで勢力を拡大しています。トヨタ自動車とソフトバンクが共同で立ち上げた次世代移動サービス「MaaS(マース)」の開発企業「モネ・テクノロジーズ」が、各界の注目を一身に集めているのをご存知でしょうか。彼らが2019年3月に設立した企業連携組織の規模は拡大の一途をたどっており、間もなく参加企業が500社を突破する見込みとなっています。
この異例とも言える急成長に対して、SNS上でも「日本の移動が変わるかもしれない」「業種の壁を越えた連携にワクワクする」といった期待の声が多数寄せられていました。ここで注目される「MaaS」とは、バスや電車などの公共交通機関から、カーシェア、レンタサイクルに至るまで、あらゆる移動手段をひとつのサービスとして捉え、スマートフォンなどで予約から決済までを一括で行える仕組みのことです。利便性を劇的に向上させる次世代の概念として世界中で開発競争が始まっています。
このモネの動きを加速させているのが、2018年の設立翌年にホンダやマツダ、スズキなども株主として参画した強力なバックボーンでしょう。さらに、多様なビジネスを創出するために結成された「モネコンソーシアム」への加盟社数は、2020年1月24日の時点で487社に達しました。2019年12月以降だけでも、大手製薬会社の武田薬品工業を含む50社以上が新たに加わっており、その勢いはとどまるところを知りません。
参加している顔ぶれを見てみると、自動車関連メーカーだけにとどまらず、小売業や金融、運輸といった国内の主要企業がずらりと名を連ねています。さらに、最先端のクラウドサービスを展開するアマゾンウェブサービスジャパンのような外資系IT企業の日本法人も巻き込んでいる点が特徴的です。このように国境や業種の垣根を越えた巨大なネットワークが構築されたことで、これまでにない革新的なライフスタイルが生まれる予感が漂っています。
民間企業との強力なタッグを進める一方で、モネは地方自治体との連携にも並々ならぬ情熱を注いでいる模様です。2019年中に協定の締結や共同での実証実験に乗り出した自治体はすでに32を数えており、地域に根ざした移動の課題解決にも着手しています。彼らは今後2年強の期間で、この連携自治体数を100にまで引き上げるという野心的な目標を掲げており、都市部だけでなく地方の交通インフラにも変革をもたらすでしょう。
私たちは移動する際、目的地で買い物をしたり食事をしたりと、必ず何らかの消費行動や社会活動と結びついています。つまり、MaaSの普及によって人々の移動が最適化されれば、そこから生まれる膨大な行動データは、ITや金融、サービス業などあらゆる産業に爆発的な新需要をもたらすに違いありません。単なる交通手段のデジタル化を超えて、社会の仕組みそのものを豊かに作り変えるモネの挑戦から、今後も一瞬たりとも目が離せません。
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