世界中で不安が高まっている新型コロナウイルスによる肺炎の拡大は、日本のビジネス界にも大きな影を落としています。特に、ものづくりや外食産業を牽引する中部地方の有力企業において、かつてない規模で影響が広がっているのです。経済の先行きを懸念する声が強まる中、各社は苦渋の決断を迫られています。
SNS上では「ついにトヨタまで止まるのか」「ココイチのカレーが中国で食べられなくなるなんて深刻だ」といった驚きや戸惑いの声が溢れており、事態の重大さが窺えるでしょう。まさに、経済のグローバル化がもたらすリスクを改めて実感させられる局面に来ています。
中国市場で相次ぐ店舗休業と工場停止の衝撃
外食チェーン大手の壱番屋が展開する「カレーハウスCoCo壱番屋」では、中国国内にある全50店舗で通常の営業を取りやめる事態となりました。2020年01月29日時点で14店舗が休業し、残る36店舗も営業時間の短縮を余儀なくされています。現地では従業員が出勤できないだけでなく、商業施設そのものが閉鎖されるケースが相次いでいるようです。
また、「焼肉きんぐ」などを手がける物語コーポレーションも、中国内の全18店舗を2020年02月02日まで一時的に閉鎖することを決めました。同社は、かつて世界を震撼させた「SARS(重症急性呼吸器症候群)」の流行時に半年間も休業したチェーンがあった事例を挙げ、強い危機感を募らせています。
さらに、日本経済の象徴とも言えるトヨタ自動車は、天津市にある合弁工場を含む中国国内の全4工場の稼働休止期間を、2020年02月09日まで延長することを決定しました。自動車産業はサプライチェーン、つまり部品の調達から製造、販売に至るまでの一連の連鎖が複雑に絡み合っているため、この停止が日本国内の生産体制へ波及することは避けられないと考えられます。
日本国内の接客業でも始まった「異例のマスク着用」
感染の猛威は中国国内に留まらず、日本国内の店舗運営にも大きな変化をもたらし始めました。和食チェーンを展開するサガミホールディングスでは、訪日外国人観光客が多く訪れる一部の店舗において、従業員に対してマスクの着用を義務付けています。こうした動きは、顧客とスタッフの双方を守るための迅速な危機管理として評価されるべきです。
同じく中部を本拠地とするコメダホールディングスでも、フランチャイズ店を含む「コメダ珈琲店」などの従業員へ、マスク着用を促す案内を出す準備を進めています。日本の接客業では、表情が見えなくなるという理由からマスクの着用はタブー視されがちでしたが、今回はそうした常識を覆す異例の対応が取られました。
これまで「おもてなし」の観点から敬遠されてきたマスク着用ですが、今は何よりも安全第一を最優先すべき局面です。企業のこうした柔軟な姿勢は、利用者の安心感に直結するでしょう。感染の収束が見通せない中、中部から始まったこの危機対応の波は、今後日本全国のあらゆる産業へ波及していくに違いありません。
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