中国湖北省武漢市を中心に広がっている新型コロナウイルスによる肺炎について、世界保健機関(WHO)は2020年1月21日、「人から人への感染がみられるのは明白だ」との見解を公式に示しました。現時点で中国国内の患者数は291人に達し、死者も6人に増加しています。この急速な事態の展開に対して、SNS上では「ついにヒト感染が確定したのか」「パンデミックになったらどうしよう」といった、強い不安と動揺の声が次々と上がっている状況です。
さらに衝撃的なのは、最前線で治療にあたる医療従事者15人の感染が武漢市の衛生当局から発表されたことです。これは病院内という密閉された環境で、ウイルスが人から人へと伝播した可能性が極めて高いことを意味しています。中国政府の専門家チームを率いる鍾南山氏もこの事実を認めており、感染の勢いはとどまるところを知りません。北京や広東省、上海などの大都市へも瞬く間に飛び火し、事態は深刻さを増しています。
感染の波は中国国内にとどまらず、日本や韓国、タイ、そして2020年1月21日には台湾でも初の感染者が確認されました。こうした公表データに対し、香港大学の研究チームは武漢市内だけで実際の感染者は約1300人にのぼるという予測を立てています。公式発表の数字はあくまで氷山の一角に過ぎない恐れがあり、水面下で私たちが想像する以上に事態が深刻化している可能性を否定できないのが現状でしょう。
ここで鍵となるのが、ウイルスがどれほど感染を広げる力を持っているかという点です。WHOはツイッターを通じて、ウイルスが最初の感染者から別の人へ、さらにそこから次の人へと次々に連鎖していく「持続的な人から人への感染」が起きている懸念を表明しました。専門家からは、1人の患者からどれだけ多くの人にうつるかを示す「効率性」という疫学的な指標に注目すべきだという意見も上がっています。
過去に猛威を振るったSARS(重症急性呼吸器症候群)は、この持続性と効率性が共に高かったため、世界で8000人以上の感染者を出しました。また、MERS(中東呼吸器症候群)は特定の環境で爆発的に感染が広がる特性を持っていました。専門家は、今回の新型肺炎についても最悪のシナリオとして「MERS級の流行リスク」を想定し、今から厳重な警戒態勢を整えておく必要があると強く警鐘を鳴らしています。
現段階でのデータを見ると、新型コロナウイルスの死亡率は約2%弱とされており、SARSの約10%や MERSの30%以上に比べれば低い数値にとどまっています。しかし、ウイルスが変異して感染力がさらに強まる危険性もはらんでおり、決して油断はできません。私たちは過度に恐れることなく、まずは手洗いやうがい、マスクの着用といった基本的な予防策を徹底し、今後の動向を冷静に見守る姿勢が求められるでしょう。
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