絶対に情報が漏洩しない究極のセキュリティーが、ついにビジネスの現場に登場します。東芝は2020年度中に、高い安全性が求められる金融機関などをターゲットにした「量子暗号通信」のサービスをアメリカで開始する方針を固めました。近年、サイバー攻撃のリスクや通信機器の安全性への関心が世界的に高まる中、国際的な開発競争が激化しています。その最前線で日本の老舗メーカーが先陣を切ったというニュースは、産業界に大きな衝撃を与えました。
ネット上でもこの動向は注目の的となっており、「日本の底力がついに世界へ羽ばたく」「通信の安全性が根本から変わるゲームチェンジャーだ」と期待を寄せる声が数多く上がっています。国家の安全保障にも関わる次世代の生命線として、この技術にかかる期待は計り知れません。私自身の見解としても、量子技術で他国に遅れを取らないために、東芝の試みは日本の技術覇権を維持する上で極めて重要な一歩になると確信しています。
盗聴を100%検知する仕組みと圧倒的な優位性
ここで「量子暗号通信」について分かりやすく解説しましょう。これは、データを暗号化して解読するために必要な「鍵」を、光の最小単位である「光子」に乗せて送る次世代の通信方法です。光子には「他者が観測すると状態が変わる」という不思議な量子力学的性質があります。そのため、もしも悪意ある第三者が途中で情報を盗み見ようとすると、必ず光子の状態が変化して痕跡が残る仕組みです。これにより不正な解読を完全に防ぐことができます。
東芝が誇る最大の武器は、その圧倒的な大容量通信のスピードにあります。同社は1991年から地道に基礎研究を積み重ねており、暗号鍵を配信する速度において世界最速の記録を保持しているのです。2020年1月には東北大学と連携し、機密性の極めて高いゲノムデータを送信する実証実験に成功したことを発表しました。着実に実用化へのノウハウを蓄積している東芝の存在感は、世界の競合他社と比較しても群を抜いていると言えます。
迫り来る脅威と激化する世界規模の覇権争い
この技術が今になって急激にスポットライトを浴びている背景には、次世代の超高速計算機「量子コンピューター」の台頭があります。現在、インターネットの通信を守っている暗号は、従来のスーパーコンピューターでは解くのに膨大な時間がかかる数学的な問題をベースに作られています。しかし将来的に高性能な量子コンピューターが完成すると、これらの暗号は一瞬で破られてしまう危険性があるのです。その脅威に備えるため、各国は開発を急いでいます。
特に中国の動きは圧倒的で、すでに北京と上海の間に約2000キロメートルにおよぶ巨大な通信ネットワークを構築し、2016年には世界初となる「量子通信衛星」の打ち上げにも成功しました。また、ヨーロッパでもスイスの先駆的企業を2018年に韓国のSKテレコムが買収するなど、技術の囲い込みが激化しています。一歩も引けない状況の中、日本政府も2020年1月21日に「量子技術イノベーション戦略」を決定し、国を挙げた支援に乗り出しました。
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