2020年2月1日現在、関西電力の原子力発電所再稼働計画が、かつてないほど深刻な壁に直面しています。福井県高浜町にある高浜原発1号機は、安全対策工事が5月に完了する見通しですが、当初予定されていた6月頃の稼働開始が極めて困難な情勢となりました。その最大の要因は、2019年9月に表面化した、同社役員らが高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていたという衝撃的な問題です。
この不祥事により、地元自治体の関電に対する不信感は決定的なものとなっています。再稼働には地元の同意が不可欠ですが、ある福井県幹部は「トップが交代しても、それだけですんなり同意できる話ではない」と明言しており、信頼回復には長い道のりが必要な状況です。SNS上でも「企業倫理が問われる問題で、地域との共生など語れるのか」「再稼働の前提となる信頼が崩れている」といった厳しい声が相次いでおり、市民の目はかつてないほど厳しくなっています。
忍び寄る「稼働停止」の影と経営への打撃
さらに深刻な事態は、高浜原発3、4号機にも及んでいます。これらは「テロ対策施設」の設置が期限内に間に合わないため、8月以降に順次、一時停止を余儀なくされることが決定しました。テロ対策施設とは、原子力発電所の重大事故などを防ぐための防護設備のことで、規制強化に伴い設置が義務付けられている極めて重要な施設です。
これまで関電は、他社に先駆けて原発を再稼働させることで発電コストを低減し、その強みを背景に競争力を維持してきました。原発は一度停止すると再稼働までに多大な時間と費用を要します。今回の問題で稼働がずれ込めば、火力発電への依存が増し、1基あたり月40億円程度の収益改善機会を失うという試算もあります。
新体制への移行が予定されているものの、信頼回復の足取りは重いと言わざるを得ません。地域との深い溝を埋め、再び安定した電力供給の旗手となれるのか、関西電力は今、存亡をかけた経営判断を迫られています。私自身、公共性の高いインフラ企業であるからこそ、不透明な資金授受は言語道断であり、透明性の確保と真摯な説明責任が果たされない限り、地域の理解を得ることは不可能だと考えます。
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