2020年2月1日現在、電力大手10社の2019年4月1日から2019年12月31日までの連結決算が出そろいました。驚くべきことに、そのうち8社が最終増益という好結果を収めています。この躍進の背景には、私たち消費者の家計にも関わる「燃料価格」の動向が大きく関係しています。一体、なぜこれほどまでに利益が拡大したのでしょうか。
主な要因は、主力の火力発電に必要な燃料価格が低下傾向にあることです。電気料金には燃料価格の変動を一定期間後に反映させる仕組みがあるのですが、価格が下落した際に、その差額が一時的な利益となって押し上げ効果を生みました。いわゆる「燃料費調整制度」のタイムラグが、企業にとっては追い風として作用したといえるでしょう。
各社の決算に見る明暗と今後の課題
個別の企業を見てみると、関西電力は前年同期比60%増となる1359億円の純利益を計上しました。燃料費の低減や円高の影響が大きく、猛暑の反動による需要減などをしっかりとカバーしています。また、中部電力も純利益が2.4倍の1526億円に達し、東北電力も同様に2.1倍の利益を確保しました。台風被害からの復旧コストを、燃料費の低減分が見事に補った形です。
一方で、すべての企業が順風満帆というわけではありません。九州電力は液化天然ガス(LNG)の売却損が響き、純利益が95%減という厳しい結果となりました。LNGとは天然ガスを冷却して液体にしたもので、発電の重要燃料です。需給バランスの変化が直撃した形です。SNSでも「電力株の動きが激しい」「燃料費の恩恵は大きいが先行きは不透明」といった冷静な分析が散見されます。
私個人としては、今回の業績向上はあくまで「燃料価格の下落」という外部要因に支えられた側面が強いと感じます。今後は、四国電力の伊方原子力発電所3号機を巡る運転差し止め問題のように、原発の稼働状況が業績の大きな鍵を握るでしょう。安定的なエネルギー供給と経営の安定、この二つを両立させる道のりは依然として険しいものがあるようです。
コメント