次世代通信規格「5G」やクラウド技術の急速な発展により、ビジネスの風景は一変しようとしています。そんな中、NTTドコモ傘下の投資会社「NTTドコモ・ベンチャーズ」が、最先端技術を持つスタートアップへの投資を加速させているのをご存じでしょうか。2020年1月14日現在、同社は国内外から有望な企業を発掘し、NTTグループとの連携を通じて、単なる資金提供にとどまらない大きな成果を上げているのです。
同社の稲川尚之社長によれば、注目しているのはクラウド経由でサービスを提供する「SaaS(サース)」企業との協業です。SaaSとは、かつてのようにソフトをパソコンにインストールするのではなく、インターネットを通じて必要な機能だけを利用するサービス形態を指します。5Gというインフラをドコモが整え、そこにスタートアップの持つ革新的な技術が組み合わさることで、新たな価値が生まれるというわけですね。
技術補完が生むシナジーと投資の眼
具体例として挙がっているのが、2019年に投資した米国のメタウェーブ社です。同社は反射波を制御する特殊なアンテナ技術を持っており、これにより効率的な5G通信網の構築が期待されています。さらに、クラウドを活用したゲームのストリーミング配信を行うフィンランド企業にも出資しています。5G環境下では通信の遅延が劇的に減るため、ゲーム体験は非常に快適になるはずです。こうしたコンテンツ領域での専門家との協力も欠かせない視点でしょう。
SNS上では、この投資戦略に対し「NTTという巨大組織が、いかに素早いスタートアップの技術を取り込むかという姿勢が非常に戦略的だ」「5Gを見据えたピンポイントな投資が、今後どのようなサービスを生むのか楽しみ」といった期待の声が寄せられています。特に、大企業が持つ安定感と、スタートアップの爆発的なスピード感がうまく噛み合えば、非常に強力なパートナーシップが生まれるはずです。
自立した企業との長期的な関係を目指して
稲川社長の言葉で印象的なのは、「はじめから事業連携ありきではない」という哲学です。まずは自立して成長できる力を持った企業を見極め、結果として財務的なリターンを得る。その長期的なプロセスの中で、グループ各社との自然な協業関係が生まれるのが理想だといいます。この「焦らない」投資スタンスこそが、同社が数多くの成功を収めている要因なのではないでしょうか。
実際の運用面でも、ドコモの各部門と緊密に連携し、飲食店予約システムのトレタやAI開発のABEJAなど、投資先をグループ企業と資本提携させる橋渡しも成功しています。こうしたノウハウの共有は、これからのオープンイノベーションにおいて不可欠な要素となりそうです。今後の投資環境は国内で過熱気味ですが、東京五輪後に一度落ち着いた後、5Gを軸としたさらなる成長が見込まれます。
私個人としても、CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)の役割は極めて重要だと感じています。単にベンチャーに投資するだけでなく、いかに社内のプロ人材を育て、彼らがスタートアップの熱量をどれだけ自社に還元できるか。NTTドコモ・ベンチャーズには、今後もその懸け橋として日本のテックシーンをリードし続けてほしいと切に願います。
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