WHOの迷走と問われるガバナンス——新型肺炎対応で見えた「忖度」の正体

2020年1月30日、世界保健機関(WHO)が中国発の新型肺炎に対し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。この決定は世界中に衝撃を与えましたが、同時にWHOの対応に対する疑念の声が急速に広がっています。特に、WHOの公式ホームページに掲載された写真には、多くの人々が違和感を覚えました。空港から出てくるマスク姿の旅行者たちを捉えたその写真には、成田国際空港の風景が映り込んでいたのです。

本来、感染源である中国の状況を伝えるべき重要な場面で、なぜ日本が舞台の写真を掲載したのでしょうか。この決定に対し、SNS上では「なぜ日本の写真を使うのか」「意図的なミスではないか」といった厳しい意見が飛び交っています。国際機関としての中立性や公平性が強く求められるはずのWHOが、情報の管理においてこれほど無神経な判断を下した事実は、決して見過ごすことはできません。

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中国への「忖度」が招いた緊急事態宣言の遅れ

この事態を招いた根本的な要因の一つとして指摘されているのが、中国に対するWHOの姿勢です。WHOは2020年1月22日から23日にかけて緊急事態を宣言するかどうかの検討を行いましたが、この段階では見送りという決断を下しました。報道によると、これは中国側からの強い圧力があったためだとされています。友好国を巻き込んで反対工作を繰り広げた中国の動向に、WHOが振り回された格好です。

この1週間の「空費」が、皮肉にも感染拡大を許す結果となりました。ようやく宣言に踏み切った記者会見において、テドロス事務局長が中国の措置を称賛し、渡航制限や貿易制限に反対する姿勢を鮮明にしたことは大きな驚きでした。ここでの「忖度」とは、相手の意向を汲み取って行動することを指しますが、感染を食い止めるという本来の役割を差し置いて、特定の国を免責しようとする意図が透けて見えたことは非常に危うい兆候だと言わざるを得ません。

根深い影響力と組織の透明性

テドロス事務局長の経歴にも注目が集まっています。彼はエチオピアの保健相や外相を歴任した人物ですが、エチオピアは中国から大規模な経済支援を受けている関係にあります。WHOという国際機関自体が、中国からの資金提供や人的影響を受けており、それが中立的な判断を阻害しているのではないかとの疑念が、専門家たちの間でも深く根付いています。

さらに、リスク評価の修正を巡る問題も深刻です。WHOは2020年1月25日まで、世界的な感染リスクを「中程度(モデレート)」と評価していましたが、翌26日には「高い」とこっそり修正しました。これを「事務的なミス」として片付けた姿勢には、組織運営の信頼性が根底から崩れているのではないかと強い危機感を抱きます。公衆衛生の要であるはずのWHOが、最も透明性を保たなければならない局面で不信感を招く事態は非常に不幸なことです。

企業活動であれ個人の生活であれ、社会の基盤は安全な公衆衛生の上に成り立っています。今後、日本は米国などとも連携し、WHOのガバナンス(統治体制)を徹底的に改革し、中立公正な国際保健機関へと立て直すための強力なリーダーシップを発揮すべきでしょう。

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