皆さんは、恐竜が支配する夜を体験したことはありますか。島根県奥出雲町にある「奥出雲多根自然博物館」が、今、驚くべき変貌を遂げて大きな注目を集めています。2020年1月30日現在、この場所はただの博物館ではありません。「泊まれる博物館」として、昼間とは全く異なる顔を見せるナイトミュージアムが、多くの冒険心溢れる人々を惹きつけているのです。
2019年4月から11月までの期間だけで、宿泊客を含む約1万2600人もの方々がこの地を訪れました。この数字は、過去最高を記録した2018年度を上回る驚異的なペースです。なぜこれほどまでに人が集まるのでしょうか。その秘密は、最新技術と恐竜という強力なコンテンツの融合にありました。
最新技術で恐竜と対峙!大人も子供も夢中になる体験型展示
通常の開館時間は午前9時30分から午後5時までですが、宿泊者には特別な時間が待っています。午後7時30分から午後9時ごろにかけて開催される「ナイトミュージアム」では、静まり返った館内で恐竜の息遣いを感じるような特別な体験が可能です。
特に魅力的なのが、次々と導入されている新アトラクションです。1階展示室では、床に投影された扉の映像に触れると、なんと恐竜が動き出すという仕掛けが隠されています。さらに、正面玄関では、レーザーポインターを内蔵した吹き矢を使って、スクリーン上の恐竜を狩るという刺激的な体験も順次スタートしています。
これらの仕掛けは、松江工業高等専門学校の協力による最新のプロジェクション技術――映像を物体に投影する技術です――が駆使されています。子供たちが単に眺めるだけでなく、能動的に参加できる仕組みは素晴らしいですね。SNS上でも「夜の博物館、ドキドキ感がすごい」「家族で行ったけれど大盛り上がりでした」と、体験者の興奮が伝わってくるようです。
進化し続ける博物館、地域活性化の核として
この博物館の歴史は1987年に遡ります。「奥出雲佐白記念館」としてスタートし、1990年に現在の名称となりました。「宇宙の進化と生命の歴史」をテーマに、約3000点もの化石や鉱物を収蔵する本格的な施設です。宿泊施設も併設されており、2018年には恐竜の世界観に浸れる「恐竜ルーム」まで登場しました。
実は、以前は宿泊と見学が別々のものでした。しかし、お客様からの「せっかくなら博物館もゆっくり見たい」という熱い声に応え、2011年からナイトミュージアムを開始。結果、2010年度には約2100人だった宿泊者が、2018年度には約6000人と、実に3倍にまで急増したのです。
アクセス面での課題も、近隣に温泉施設「長者の湯」がオープンしたことで、滞在型観光の魅力が深まりました。宇田川館長は、町全体の魅力を発信する拠点としての役割を強調されています。恐竜という非日常と、奥出雲の自然や食という日常が交差するこの場所は、まさに地域の宝と言えるでしょう。
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