日ロ平和条約交渉の行方は?2020年北方領土返還要求全国大会で安倍首相が示した決意と今後の課題

2020年2月7日、東京都内において「北方領土返還要求全国大会」が開催されました。この重要な節目において、安倍晋三首相はロシアとの平和条約交渉を前進させる強い意欲を表明しています。首相は「双方が納得できる解決策を導き出すため、共同作業を精力的に積み重ね、一歩ずつ確実に関係を進展させる」と言葉に力を込めました。SNS上では、領土問題の進展を期待する好意的な意見が見られる一方で、譲歩を懸念する厳しい声も飛び交うなど、国民の関心の高さがうかがえます。

一方で、2019年の大会に引き続き、今回も「北方四島の帰属問題」という明確な表現が使われませんでした。こうした配慮は、対露外交の難しさを浮き彫りにしているのではないでしょうか。大会が採択したアピール文からも、かつて盛り込まれていた「不法占拠」という強い文言が昨年に続いて見送られています。これには、強い言葉を使うことでロシア側を刺激し、積み上げてきた対話の場が閉ざされてしまうリスクを避けたいという、政府の慎重な姿勢が反映されていると推測できるでしょう。

こうした融和的な姿勢の背景には、1956年に署名された「日ソ共同宣言」があります。この宣言は、日露間で平和条約が締結された後に、歯舞群島と色丹島の2島を日本へ引き渡すという内容を含んだ外交的合意です。日本政府は長年、北方四島すべての帰属問題を解決した上で平和条約を結ぶ方針を掲げてきましたが、現在は2島先行返還も視野に入れた現実路線を模索しているように見えます。ただ、言葉の選択を変えるだけで、大国の壁を崩せるのかという疑問は残るものです。

今後の注目は、2020年5月にモスクワで予定されている第2次世界大戦の戦勝75周年記念式典です。安倍首相はこの式典への出席に合わせたロシア訪問を検討しており、実現すれば首脳同士の直接対話による大きな進展が期待されます。また、2020年2月中旬には茂木敏充外相がドイツでの国際会議に合わせてロシアのラブロフ外相と会談する見通しです。実務者レベルで共同経済活動などの具体策をどこまで詰められるかが、平和条約への試金石となるでしょう。

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