大手化学メーカーの東洋紡は2020年02月08日、春季に実施する大規模な役員人事と組織再編を公表しました。2020年03月26日付の工場長クラスの人事を皮切りに、2020年04月01日には経営陣の体制を刷新する計画です。この発表に対してSNS上では、文字通りの「カエル」を連想したユーザーからのユニークな反応や、ドラスティックな新体制への移行に対するビジネスパーソンたちからの驚きと期待の声が数多く寄せられています。
今回の人事において特に注目したいポイントは、代表取締役兼専務執行役員の渡辺賢氏が新たに事業部門を統括する点です。さらに渡辺氏は、同社が推進する「カエルプロジェクト」の担当も継続します。このユニークな名称のプロジェクトは、業務プロセスを劇的に「変える」ことや、従来の慣習から脱却して新しいステージへ「変革する」という強い決意が込められた、同社独自の業務改革イニシアチブのことです。
化学業界が激変する中で、このようにユーモアと強い意志を込めたプロジェクトを経営の核に据える姿勢には非常に好感が持てます。単なるコスト削減ではなく、組織の意識改革を本気で進めようという経営陣の覚悟が伝わってくるからです。激しい市場競争を勝ち抜くためには、これまでの成功体験に縛られず、文字通り自らを「変える」柔軟な姿勢が日本の大企業にこそ必要不可欠であると私は確信しています。
ソリューション型組織への進化と未来への布石
また、今回の改組では市場のニーズに素早く応えるため、「モビリティ」や「生活・環境」、「フイルム・機能マテリアル」といったソリューション別の本部長制度が導入されます。ここでいうモビリティとは、自動車や鉄道などの移動手段に関連する技術や素材分野のことです。これらを専門組織化することで、研究開発から営業までを一気通貫で迅速に行う狙いが見て取れ、縦割り組織からの脱却を目指す明確なメッセージを感じます。
さらに、変化の激しい現代ビジネスに対応するため、デジタル戦略やサステナビリティ推進という時代を先取る専門部署も新たに設置されます。サステナビリティとは、地球環境や社会の持続可能性に配慮した経営を行う考え方です。これらを新体制の柱に据えた東洋紡の試みは、持続可能な社会の実現へ大きく貢献するでしょう。この新しい布陣がどのような革新的な素材を生み出すのか、今後の動向から目が離せません。
コメント