就職や結婚、住まい探しなど、私たちの人生の節目に寄り添うサービスを多数展開するリクルートホールディングス。同社が2020年2月14日に発表した2019年4月から2019年12月までの連結決算において、純利益が前年の同じ時期と比べて14%も増加し、1665億円という驚異的な数字を叩き出しました。4〜12月期としては過去最高を更新しており、その圧倒的な成長スピードに業界内外から熱い視線が注がれています。
この快挙を牽引したのが、テレビCMでもおなじみの求人検索サイト「インディード」を擁するHRテクノロジー事業です。SNS上でも「求職活動といえばインディード一択になりつつある」「圧倒的な使いやすさが企業側にも評価されている証拠だ」といった驚きと納得の声が多数寄せられています。人手不足が深刻化する現代において、求職者と企業を効率的に結びつける同社のシステムが、見事に時代のアプローチと合致した結果と言えるでしょう。
インディードの爆発的な成長を支えているのが、従来の求人広告とは一線を画す「クリック課金」という独特の価格体系です。これは広告の大きさや掲載期間で料金が固定される一般的な求人誌などとは異なり、求職者が求人情報を1回クリックするごとに費用が発生する仕組みを指します。無駄なコストを抑えたい広告主がクリック単価を自由に設定でき、予算に合わせた柔軟な運用が可能なため、多くの企業から絶大な支持を集めているのです。
企業のコストパフォーマンスを高めるこの手法は、結果としてリクルートの収益を大きく押し上げる原動力となりました。私の視点からも、掲載して終わりという従来型の採用市場から、成果に連動するテクノロジー主導の市場へと完全にパラダイムシフトが起きていると感じます。このトレンドをいち早く察知し、自社の強みへと昇華させたリクルートの先見の明には目を見張るものがあり、今後のビジネスモデルの模範となるでしょう。
さらに、日常の楽しみを提供する販促分野も好調を維持しています。旅行予約でおなじみの「じゃらん」では2019年4月にサイト利用料の引き上げを実施し、これが収益を大きく底上げする結果となりました。また、美容院予約の定番である「ホットペッパービューティー」では、ネット予約件数が前年比20%増の8615万件に到達しています。地方や都市部郊外への営業強化が実を結び、掲載店舗が着実に増えていることも見逃せません。
一方で、すべての事業が順風満帆というわけではないようです。長年日本の就職活動を支えてきた「リクナビ」や「タウンワーク」などの国内人材募集は堅調なものの、2019年秋頃からは製造業を中心に採用を控える動きが広がり、直近の四半期では微減益を記録しました。世界的な景気の先行き不透明感から、特にヨーロッパを中心とした海外の人材派遣事業が落ち込んでおり、グローバル市場における舵取りの難しさが浮き彫りになっています。
リクルートホールディングスは同時に、2020年3月期の通期見通しを修正し、利払いや税引き、償却前の利益を示す「EBITDA」を3200億円程度になると発表しました。当初の見込みよりも海外派遣事業が苦戦を強いられている形ですが、インディードを筆頭とするIT技術を駆使した事業がその穴を埋めて余りある勢いを見せています。激動の時代において、テクノロジーを武器に進化を続ける同社の挑戦から今後も目が離せません。
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