出光興産の純利益が45%減!原油安と新型肺炎が直撃した石油元売り大手の決算と今後の行方

日本のエネルギーインフラを支える石油元売り大手の経営に、世界規模の荒波が押し寄せています。出光興産が2020年02月14日に発表した2019年04月から2019年12月期における連結決算は、純利益が649億円という結果になりました。これは2019年04月に経営統合を果たした昭和シェル石油との2社合算ベースで比較すると、前年の同じ時期よりも45%という大幅な減少を記録したことになります。

今回の苦戦には複数の要因が絡み合っています。特に大きな打撃となったのが、ベトナムにあるニソン製油所で発生した装置トラブルです。この影響による修繕工事が響き、石油を精製する施設の生産効率を示す「稼働率」が大きく低下してしまいました。さらに、スマートフォン向けの高機能材料や石油化学製品の中国市場における販売が伸び悩んだことも、利益を大きく削る要因となっています。

SNS上では、この突然の業績悪化に対して「エネルギー大手の減益は経済の冷え込みを象徴している」「経営統合のシナジー効果が出る前に世界情勢に振り回されていて同情する」といった、驚きや今後の動向を心配する声が多数上がっています。太陽光パネル事業などで必死のコスト削減を試みたものの、世界的な需要の減退という巨大な波を押し返すまでには至らなかったのが実情と言えるでしょう。

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原油価格の急落がもたらす在庫評価の落とし穴

追い打ちをかけるように、足元では世界中を震撼させている新型肺炎への警戒感から、原油価格が急激に値下がりしています。現在、中東産のドバイ原油は1バレルあたり55ドル前後で取引されており、出光興産が事前に見込んでいた想定レートである60ドルを約5ドルも下回る事態に陥りました。この原油安の局面が長引けば、石油元売り各社の通期業績をさらに下押しすることは確実視されています。

ここで注目すべきは、専門用語である「在庫評価」という仕組みです。石油元売り会社は法律に基づき、常に大量の石油を蓄えておく義務があります。原油価格が下がると、過去に高く仕入れた手持ちの在庫の価値を帳簿上で引き下げなければならず、売れていなくても損失(評価損)が発生するのです。この相場が継続した場合、出光興産では営業利益が40億円から50億円ほど目減りする見込みです。

今回の発表により、石油 animate元売り大手3社の決算が出そろいました。JXTGホールディングスでも同様に340億円規模の営業利益の減少が試算されており、業界全体でのマイナス影響は400億円規模に達する見通しです。2020年03月期の通期業績予想について、両社はひとまず従来の計画を据え置いたものの、先行きの不透明感に対する市場の警戒感はかつてないほどに高まっています。

筆者の視点としては、今回の減益は単なる一企業の失速ではなく、中国経済への依存度や地政学リスクが浮き彫りになった結果だと捉えています。化石燃料に頼るビジネスモデルの限界を痛感させられると同時に、今後は環境変化に強いポートフォリオの構築が急務となるでしょう。未曾有の危機を乗り越えるため、経営統合による効率化の真価がまさに今、試されているのではないでしょうか。

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