中国で爆買いの次に生まれる新トレンド!「熱中消費」が示すアジア市場の未来とこれからの仕掛け方

これまでの「爆買い」という言葉に代表されるような、形あるモノを大量に購入するスタイルから、中国の消費動向は次のステージへと移り変わろうとしています。博報堂生活綜研(上海)と中国伝媒大学広告学院が共同で発表した最新の調査結果によると、中国の生活者の間で驚くべき意識の変化が起きていることが分かりました。なんと、調査対象となった人々のうち6割を超える人々が「熱中できるものが欲しい」と考えているのです。

この調査は2019年10月に、中国で3000人、日本とアメリカでそれぞれ1000人を対象としてインターネット上で実施されたものです。2、3年前と比較して熱中できるものを求めるようになったと答えた中国の消費者は60%に達しました。これは日本の34%を大きく引き離しているだけでなく、アメリカの57%をも上回る数字です。物欲を満たすだけでは得られない、心が震えるような体験や趣味を彼らは熱望しているのでしょう。

SNS上でもこの結果は大きな話題を呼んでおり、「確かに最近はブランド品よりも、自分が没頭できる趣味にお金を使いたい」「物を所有するだけの時代は終わった気がする」といった共感の声が多数寄せられています。このように、消費者の関心が物質的な豊かさから精神的な充足感へと移行する現象を、マーケティング用語で「コト消費」と呼びます。単に製品を売るのではなく、それを通じて得られる体験価値の提供が求められているのです。

一方で、2、3年前と比べて今の生活に物足りなさを感じるようになったという中国の消費者は43%に上り、こちらも日本やアメリカを上回る結果となりました。高級品を手に入れたり海外旅行へ出かけたりしても、彼らの旺盛な探究心は現状にとどまることを知りません。私個人の見解としても、この「物足りなさ」は決してネガティブな不満ではなく、より面白いものや目新しいサービスを貪欲に追い求める、前向きなエネルギーの裏返しだと感じます。

海外での派手な買い物の勢いが落ち着いたからといって、中国市場の勢いが衰えたと判断するのは早計です。むしろ、消費への意欲は形を変えてさらに熱を帯びていると捉えるべきでしょう。これからの時代に彼らの心を動かすためには、個人のライフスタイルに深く寄り添い、内面から熱中させるようなストーリー性のあるアプローチが必要です。企業側には、消費者の「もっと熱くなりたい」という情熱に応える、革新的な仕掛けが求められています。

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