世界中で持続可能な開発目標、いわゆるSDGsへの関心が高まる中、日本のビジネスシーンにも大きな変化の波が押し寄せています。2019年12月02日現在の調査によれば、多くの企業が単なる社会貢献の枠を超え、気候変動を重要な経営リスクと捉え始めていることが明らかになりました。特に注目を集めているのが「TCFD」という国際的な枠組みへの賛同です。
TCFDとは「気候関連財務情報開示タスクフォース」の略称で、主要国の金融当局が、企業に対して「気候変動が自社の財務にどんな影響を与えるか」を分析し、公表するように求めている組織のことです。SNS上でも「投資家が企業の環境対策を厳しくチェックする時代になった」といった声が上がっており、もはや環境問題への対応は、企業の生存戦略そのものと言えるでしょう。
グローバル企業の先駆的な取り組みと国際的要請
実際に国内では200を超える企業や機関がこの動きに賛同の意を示しており、SDGsへの貢献手段としてTCFDを挙げる企業は全体の20.7%に達しました。例えばキリンホールディングスは、2018年に日本の食品業界でいち早く賛同を表明した企業です。彼らは、地球温暖化が原料となる農作物の収穫にどう影響するかを緻密に分析し、その結果を透明性高く公開しています。
同社はさらに、2030年までに温暖化ガスの排出量を2015年比で30%削減するという野心的な目標を掲げ、これを経営計画の柱に据えています。こうした姿勢に対し、ネット上では「本気度が伝わってくる」「好きなブランドを応援したくなる」といったポジティブな反応が見受けられます。事業のステークホルダーが世界規模に広がる今、国際的な要請に応えることは信頼を勝ち取る最短ルートなのです。
サプライチェーン全体に広がる「人権尊重」の義務
気候変動への対策と並行して、今まさに熱い視線が注がれているのが「人権の尊重」です。驚くべきことに、取引先の状況把握や方針の明文化を行っている企業は71%に上っています。企業活動の舞台が広がるにつれ、自社だけでなく、海外の仕入れ先(サプライヤー)における児童労働や強制労働を許さないという厳しい姿勢が求められているのです。
アンケートによれば、人権リスクの検討範囲を海外の取引先にまで広げている企業は44.7%に達しました。例えばブリヂストンは、天然ゴムの生産過程で不当な労働が行われないよう、業界団体と連携して動いています。編集者としての私見ですが、こうした「見えない場所」への配慮こそが、現代における企業の品格を決定づけるのではないでしょうか。
相談窓口の設置や専任部門の立ち上げなど、体制構築を急ぐ企業が増えている現状は、日本経済がより成熟した段階へ進もうとしている証拠です。2019年12月02日を起点として、私たちは企業の「誠実さ」を財務諸表だけでなく、環境や人権への向き合い方から判断する時代に立ち会っています。この潮流は、今後さらに加速していくことに疑いの余地はありません。
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