かつて日本中を席巻した中国からの旅行客による「爆買い」の嵐ですが、あの狂騒は2015年をピークに落ち着きを見せています。現在の中国では、モノを所有することよりも旅行や映画を楽しむ「コト消費」へと人々の関心が急速にシフトしているのです。
このコト消費とは、商品そのものを購入するのではなく、体験やサービスに価値を見出す消費行動を指します。SNS上でも「最近の中国のトレンドの移り変わりは早すぎる」「爆買いの時代が懐かしい」といった驚きの声が多数上がっており、その変化の激しさが注目されています。
さらに、このコト消費の延長線上として、現在の中国では空前の健康ブームが巻き起こっているのをご存知でしょうか。2019年の中国におけるスポーツ関連の市場規模は、なんと2兆6600億元、日本円にして約40兆円に達したと見られており、市場は今も拡大を続けています。
この数字は2022年までにさらに3割以上も拡大する見通しであり、現地では健康への投資が当たり前の文化になりました。日本がバブル期の1980年代後半から約30年かけて変化させてきた成熟した消費スタイルを、中国はわずか10年足らずで駆け抜けたことになります。
これほど急激な進化を遂げた最大の背景には、やはりインターネットやスマートフォンの爆発的な普及が挙げられます。海外の最新トレンドや情報がリアルタイムで手に入る環境が整ったことで、日本と中国との間で流行のタイムラグはほとんど消失したと言えるでしょう。
私は、この変化のスピード感こそが現代のグローバル市場を象徴していると感じており、これまでの常識に囚われない柔軟な視点が日本企業にも求められていると考えます。もはや中国の背中を追うのではなく、対等なライバルとしてトレンドを予測する視点が不可欠です。
さらに興味深いことに、スマートフォンのアプリ等を使ったキャッシュレス決済や、利便性の高いネット出前サービスなど、IT技術を活用した分野では中国が世界をリードしています。かつてのような「先進国の後追い」という構図は、完全に過去のものとなりました。
リアルタイムで進化し続ける中国の消費動向を正確に把握することは、今後さらに難易度が上がっていくと予想されます。目まぐるしく変わる巨大市場のリーダーシップに、これからも世界中のビジネスパーソンから熱い視線が注がれ続けることは間違いありません。
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