自転車と泊まる新体験!星野リゾート BEB5 土浦が仕掛ける「ハマる輪泊」の魅力とは?

かつて茨城県南部の商業の中心地として栄えた土浦市が、今まさに「自転車の街」へと華麗な転換を遂げようとしています。注目の集まるJR土浦駅直結のビル「プレイアトレ土浦」内に、2020年3月19日、サイクリングホテル「星野リゾート BEB5(ベブファイブ)土浦」がオープンします。合言葉に掲げられた「ハマる輪泊(りんぱく)」というフレーズは、SNS上でも「愛車と一緒に泊まれるなんて最高すぎる」「新しい旅のスタイルになりそう」と、早くも大きな話題を呼んでいるようです。

この画期的なホテルが入るプレイアトレ土浦は、本格的なサイクルショップや便利なレンタサイクル、そして快適なシャワー室を完備した一大拠点です。かつてこの場所にあった商業施設は集客に苦戦を強いられていました。そこで運営会社のアトレは、従来の「モノを売る物販」から脱却し、体験や思い出を提供する「コト消費」へと舵を切ったのです。このコト消費とは、商品そのものを購入するのではなく、そこで得られる特別な体験や時間に価値を見出す現代的な消費トレンドを指します。

同社が目をつけたのが、茨城県が総延長180キロメートルにわたって整備を進めてきたサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」の存在でした。2018年3月にサイクリング特化型施設へと生まれ変わった同ビルには、2019年4月から5月にかけて魅力的なレストランや専門店が続々と入居しています。そして、3階から5階のエリアに誕生する今回のホテルは、まさにこの一大プロジェクトを締めくくる待望の最終形態と言えるでしょう。

日本で2番目に大きな湖である霞ケ浦や、緑豊かな筑波山の絶景を堪能できるこのコースは、サイクリストにとってまさに聖地です。しかし、180キロメートルという距離は1日で走り切るには簡単ではありません。アトレの藤本店長も、1日では回りきれない旅行者がこのホテルに滞在し、食事や買い物を満喫することに期待を寄せています。単なる通過点だった駅が、自転車をハブにした滞在型の観光拠点へと進化する素晴らしい試みだと私は確信しています。

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愛車をインテリアに!?遊び心満載の客室と自由な滞在スタイル

星野リゾートが手掛けるこのホテルは、なんと自転車に乗った状態のままでスムーズにチェックインやチェックアウトができる驚きの動線を実現しました。全90室ある客室の中でも、特に注目したいのが「サイクルルーム」です。ここでは大切な自転車を部屋の中にまで持ち込むことが可能で、壁面にディスプレイしてまるでインテリアのように眺めることができます。愛車を片時も手放したくないこだわり派のサイクリストには、たまらない空間ではないでしょうか。

客室はこの他にも、下段が居心地の良いソファで上段がベッドという秘密基地のような「やぐらルーム」や、シンプルな「ダブルルーム」が用意されています。さらに、こだわりの自転車が並ぶ宿泊者限定のパブリックスペース「TAMARIBA」は、24時間いつでも利用可能です。併設のカフェで夜通し仲間と語り合うのも素敵ですね。チェックアウトも「およそ午前11時」と、あえてルーズに設定されており、時間を気にせず朝の時間をのんびりと過ごせる配慮が光ります。

気になる料金は、2名1室の利用で1名1泊6000円(税・食事別)からと非常にリーズナブルです。さらに驚くべきことに、35歳以下の方を対象とした若者エコノミープランが用意されており、年間を通じて1室1万2000円で宿泊可能です。「やぐらルーム」を3名で利用すれば、1人あたりわずか4000円という破格の安さになります。これなら、お金に余裕のない若い世代の旅行者でも、気軽にサイクリング旅へ出かけるきっかけになるに違いありません。

こうした地域を巡る周遊型観光の促進に対し、茨城県からのバックアップも手厚いものです。県はイメージ向上につながる優れた宿泊施設として、このホテルを補助金事業に認定しました。さらに2019年11月、国土交通省は高い世界基準を満たす「ナショナルサイクルルート」として、滋賀県の「ビワイチ」や広島・愛媛県の「しまなみ海道」と並び、この「つくば霞ケ浦りんりんロード」を指定しました。国のお墨付きを得たことで、国内外へのアピールはバッチリです。

特に、サイクリング人気が非常に高い台湾からの観光客にとって、茨城空港からのアクセスが良いこのルートは格好の旅先となるでしょう。しかし、華やかな開業の一方で、雨の日や冬の閑散期にどう客足を維持するかという課題も残されています。コース上の休憩所やトイレの増設など、官民が連携した細やかなインフラ整備も不可欠です。このBEB5土浦の誕生が刺激となり、地域全体を長期的に盛り上げるサイクリングカルチャーが定着することを願ってやみません。

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