世界を代表する化粧品メーカーである資生堂やフランスのロレアルが、東南アジアを舞台にした新たな顧客争奪戦に乗り出しています。これまで日本国内で凄まじい勢いを見せていた、中国人観光客によるいわゆる「爆買い」ブームは、2019年08月17日現在、一つの区切りを迎えつつあるようです。そこで各社が次なる商機として白羽の矢を立てたのが、中国の人々に人気の旅行先であるシンガポールをはじめとした東南アジア諸国なのです。
この戦略の鍵を握るのは、現地の空港に併設されている「免税店」での販売強化に他なりません。免税店とは、消費税や関税などの税金がかからない状態で商品を購入できる店舗のことで、高級ブランド品を手頃な価格で手に入れられるため、旅行者にとっては大きな魅力となっています。メーカー各社は、旅先での開放感も相まって財布の紐が緩みやすいこのタイミングを逃さず、積極的なプロモーションを展開して売上の拡大を狙っているのでしょう。
SNS上では、こうした企業の動きに対して「旅行先でいつも使っているブランドを見かけると安心感がある」「東南アジア限定のセット販売があれば、つい買ってしまいそう」といった期待の声が上がっています。一方で、「爆買いが落ち着いても、結局は中国の消費者が市場の中心なのだ」と、その影響力の大きさに驚く投稿も見受けられました。消費者の動向を鋭く察知する大手企業のスピード感は、ネット上でも大きな注目を集めている様子が伺えます。
今回の各社の取り組みは、単に旅行先で商品を売り抜くことだけが目的ではありません。真の狙いは、旅行中に自社ブランドを体験してもらうことで、帰国後も継続的に購入してくれる「ロイヤルカスタマー」へと育てることにあります。一度手にした使い心地が忘れられなければ、中国に戻った後も現地の店舗やECサイトでリピート注文してくれる可能性が高まるため、旅先はまさにブランドへの入り口としての役割を果たしているといえます。
私自身の見解としましては、この「顧客を追いかける」戦略は、現在のグローバル市場において非常に理にかなった賢明な判断だと感じています。現代の消費者は場所を問わず移動し続けるため、特定の国の中だけで待ち構えるビジネスモデルには限界があるからです。東南アジアという新たな拠点で接点を持つことは、変化の激しいアジア市場で生き残るための不可欠な投資であり、今後の化粧品業界の勢力図を左右する重要な布石になるに違いありません。
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