高齢者ドライバーの免許自主返納が愛知県で急増!池袋事故後の決断と地域社会の移動支援課題に迫る

2019年4月に東京の池袋で起きた悲惨な母子死傷事故をはじめ、全国で相次ぐ高齢ドライバーの重大なトラブルは、多くの人々に衝撃を与えました。これを受けて愛知県内でも、運転免許証を自ら返上する「自主返納(じしゅへんのう)」の動きがこれまでにない規模で加速しています。

愛知県警のまとめによりますと、2019年の1年間で免許を自主返納した人は、前年よりおよそ1万人も増加し、過去最多となる3万4,358人に達したことが2020年2月14日に判明しました。この返納者のうち、実になんと96%が65歳以上のシニア層で占められています。

SNS上でも「明日は我が身だから親に強く勧めた」「悲しい事故をニュースで見るたびに、家族で話し合う機会が増えた」といった声が数多く寄せられています。当事者だけでなく、周囲の家族が熱心に返納を促すケースが目立っている現状が浮き彫りになりました。

愛知県内でも、2019年6月に名古屋市昭和区で70代男性の車が小学校へ突っ込む事故が発生したほか、同年9月には金山駅のロータリーでタクシーが乗り上げる惨事も起きています。こうした身近な危機感が、高齢者の背中を押す最大の要因になったと考えられます。

スポンサーリンク

広がる返納支援の輪とクルマ社会特有の根深い課題

こうした事態を受け、自治体や企業もサポートを本格化させています。例えば名古屋市では、返納した高齢者に市営交通で利用可能な5千円分の電子マネーを配る取り組みを始めており、お出かけを応援する仕組み作りに注力しています。

さらに、愛知県タクシー協会でも、免許の代わりに身分証となる「運転経歴証明書(うんてんけいれきしょうめいしょ)」を提示した70歳以上の方を対象に、運賃を1割引きにするサービスを展開して、移動の負担軽減を試みています。

しかし、愛知県は自動車の保有台数が日本一多い、いわゆる「クルマ社会」です。日々の買い物や通院といった日常生活の足を確保するために、運転への不安を抱えながらも免許を手放せないシニア世代が、2018年末時点で109万人も存在していました。

単に「危険だから返納を」と叫ぶだけでは解決しません。公共交通機関が不便な地域でも高齢者が孤立しないよう、社会全体で新しい移動手段を構築することこそが急務であり、行政や地域コミュニティの本気度が今まさに試されているのではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました