2019年も折り返し地点を過ぎ、日本の通信業界は今、まさに激動の瞬間を迎えようとしています。総務省は2019年内に、特定の敷地内だけで独自の超高速通信網を構築できる「ローカル5G」の申請受付を開始する方針を固めました。これまでは限られた大手通信キャリアしか扱えなかった最先端の電波を、一般企業が自前で運用できるという、歴史的な転換点に私たちは立ち会っているのです。
そもそも5Gとは「第5世代移動通信システム」を指す言葉であり、現行の4Gと比較して通信速度が劇的に向上し、遅延もほとんど発生しないという魔法のような技術です。今回の施策によって、工場やビルなどの限定されたエリアに限って、企業が自前で基地局を設置することが認められます。これにより、外部の電波状況に左右されない、安定したプライベート空間でのネットワーク活用が可能になるでしょう。
初期投資を抑えて製造現場を自動化!参入を急ぐ各業界の思惑
このローカル5Gがもたらす最大のメリットは、莫大なインフラ投資を必要とせず、ピンポイントで高度な通信環境を手に入れられる点にあります。製造業の現場では、ロボットによるラインの完全自動化や、高精細な映像を用いたリアルタイムの品質管理が期待されています。自社専用の回線であるため、セキュリティ面でも非常に強固であり、機密情報の漏洩を懸念する企業にとっても理想的な選択肢となるはずです。
SNS上の反応に目を向けてみると「ついに自分の会社で基地局を持てる時代が来たのか」「Wi-Fiよりも安定した通信が期待できそうで楽しみ」といった、期待に満ちた声が数多く寄せられています。一方で「運用には専門知識が必要そうだが、ハードルは高いのではないか」という不安も散見されます。しかし、NTT東日本やJCOMといった有力企業が既に参入への意欲を露わにしており、サポート体制の充実も期待できるでしょう。
編集者としての視点から述べさせていただくと、この動きは日本の「モノづくり」を再定義する大きなチャンスだと確信しています。人口減少による人手不足が深刻化する中で、ローカル5Gによる自動化は、現場の負担を減らすだけでなく、生産性を飛躍的に高める特効薬になるでしょう。ただし、技術の導入そのものが目的化してはいけません。いかにしてこの強力なツールを使いこなし、新しい付加価値を生み出すかが、今後の勝負の分かれ目となります。
2019年12月の受付開始に向けて、通信機器メーカーやシステム開発会社の動きも一段と加速しています。誰でも携帯事業者になれるというこの新制度は、まさに産業構造を根底から塗り替えるポテンシャルを秘めていると言えるでしょう。私たちは今、建物という箱の中に、無限の可能性を秘めたデジタル神経網が張り巡らされていく、新しい産業革命の目撃者となっているのです。
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