東芝メモリが1.3兆円の巨額資金を調達!IPOに向けた「優先株」買い戻しの真意と今後の展望

日本の半導体産業にとって、極めて大きな動きがありました。東芝メモリホールディングス(HD)は2019年5月31日、総額で1兆3000億円もの巨額な資金調達を行うと発表しました。この資金は、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行の3メガバンクからの融資と、日本政策投資銀行による出資を組み合わせたものです。これほど大規模な資本政策に動いた背景には、同社が目指している悲願の「株式上場」への強い意志が見え隠れしています。

今回の調達資金の主な使い道は、米アップル社などアメリカのIT大手4社が保有している「優先株」の買い戻しです。ここで少し専門的な話をしましょう。「優先株」とは、普通株に比べて配当金や会社が解散した際の残余財産の分配を優先的に受けられる権利を持つ株式のことです。その代わり、経営に参加する議決権が制限されることが一般的です。東芝メモリは、かつて経営危機にあった東芝本体から独立する際、これらの企業から支援を受けていました。

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上場への障壁を取り除くための決断

では、なぜ今、巨額の借金をしてまで株を買い戻す必要があるのでしょうか。それは、取引先であるアップルなどが大株主のままだと、証券取引所による上場審査で不利になる可能性があるからです。特定の大口顧客が経営に強い影響力を持つ状態は、独立した経営判断を阻害すると見なされかねません。2019年11月以降に計画している新規株式公開(IPO)をスムーズに進めるためには、この資本関係を整理し、身軽になっておく必要があったのです。

資金の内訳も詳細が明らかになっています。3メガバンクからは9000億円の融資に加え、さらに1000億円の追加融資枠を確保しました。また、日本政策投資銀行には新たに発行する3000億円分の優先株を引き受けてもらう形をとります。これにより、財務基盤を安定させつつ、かつての「救世主」たちへの義理を果たし、名実ともに独立企業としてのスタートラインに立つ準備が整ったと言えるでしょう。

SNSでの反応と編集部の視点

このニュースに対し、SNS上では様々な反響が寄せられています。「いよいよ東芝メモリが再出発か、日本の技術力を世界に見せつけてほしい」といった応援の声がある一方で、「1.3兆円もの借金を背負って大丈夫なのか」「半導体市況は波が激しいから、タイミングを誤ると危ない」といった、財務リスクを懸念する声も少なくありません。巨額のマネーが動くだけに、世間の注目度は非常に高い状態です。

私自身の見解としては、この決断は東芝メモリが世界で生き残るために避けては通れない道だったと考えます。NAND型フラッシュメモリの市場は、サムスン電子などのライバルとしのぎを削る激戦区であり、常に巨額の設備投資が求められます。上場によって市場から直接資金を集められる体制を作ることは、競争力を維持するための生命線なのです。東京証券取引所への申請は2019年9月頃と見られており、今後の動向から目が離せません。

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