中小企業の賃上げ2020!春闘で注目の「企業内最低賃金」と日本経済に必要な新陳代謝のリアル

2020年の春季労使交渉(春闘)に向けて、労働組合の中央組織である連合が、中小企業の賃金底上げに本格的に乗り出す方針を固めました。今回の注目点は、各企業の労使が話し合って決める「企業内最低賃金」について、具体的な目標金額を初めて提示したことです。このニュースはSNSでも関心を集めており、「給料が上がるのは嬉しいけれど、うちの会社は大丈夫か」といった期待と不安が入り混じった声が多数上がっています。

連合が掲げた具体的な目標は、すべての労働組合が協定を結んだ上で、最低でも時給1100円以上を確保するという意欲的な内容です。さらに、35歳で勤続17年の標準的な労働者の場合、時給1700円、月給換算で28万500円に達する賃金制度の構築を企業側に要求しています。現在、働く人の約7割が中小企業に雇用されているため、この取り組みが成功すれば、日本全体の消費を大きく活性化させる起爆剤になるでしょう。

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中小企業が直面する厳しい現実と生産性向上の壁

しかし、理想の賃上げを実現するためには、企業側がその原資となる利益を継続的に生み出さなければなりません。現実の数字に目を向けると、2019年版の中小企業白書では、2016年度時点で中小企業の約35パーセントが営業赤字に陥り、3割強が債務超過の状態にあることが報告されています。このように収益力が乏しい企業が多い中で、一律に高い賃金水準を求めることに対しては、SNS上でも「倒産を早めるだけではないか」という現実的な懸念が渦巻いています。

これまで政府は、資金繰りの支援などを通じて中小企業を何度も救済してきましたが、これが結果として競争力を失った企業を延命させる原因にもなりました。過度な保護政策は市場の健全な新陳代謝、つまり「業績の悪い企業が市場から退場し、成長企業が参入して入れ替わる仕組み」を阻害します。その結果、過当競争が続いて業界全体の生産性が低迷するという悪循環を生み出しており、今の公的支援のあり方には見直しが必要不可欠です。

日本の未来を変えるために必要な構造改革と私の視点

私は、中小企業の持続的な賃上げを成功させるためには、大企業による無理な短納期要求といった不公正な取引慣行の是正と同時に、政府による行き過ぎた保護策の撤廃が絶対に必要であると考えます。市場のルールが正しく機能すれば、成長分野へと円滑に人材が移動し、社会全体の生産性が自然と引き上げられるはずです。弱い企業をただ守るだけの政策は、結果としてそこで働く労働者の低賃金を固定化させることになりかねません。

もちろん、中小企業側もデジタル技術を導入した業務の効率化や、成果を適切に反映する評価制度への移行など、自ら変革する努力が求められます。労働組合は単に給与の増額を要求するだけでなく、どうすれば会社が稼げるようになるのかという具体的な生産性向上策を、経営陣と徹底的に議論すべきでしょう。官民が一体となって痛みを伴う構造改革に踏み出すことこそが、本当の意味で労働者の生活を豊かにする唯一の道です。

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