世界のハイテク産業における「炭鉱のカナリア」とも称される台湾IT企業の動向に、明るい兆しが見えてきました。2019年9月における主要19社の売上高合計は、前年の同じ月と比較して4.2%の増加を記録しています。直近の2ヶ月間はほぼ横ばいの推移が続いていただけに、このタイミングでのプラス成長は市場関係者にとっても大きな関心事と言えるでしょう。
この力強い成長を支えている最大の要因は、米アップル社が市場に投入した新型スマートフォン「iPhone 11」シリーズの存在です。世界中の消費者が新モデルを手に取るなか、その製造を支える台湾のサプライヤー各社には膨大な注文が舞い込んでいます。SNS上でも「今回のiPhoneはカメラ性能が良くて買いだ」「予約待ちが続いている」といった好意的な意見が目立っており、その熱狂が数字となって現れた形です。
アップル特需の恩恵と市場の期待感
サプライヤーとは、製品の組み立てや部品供給を請け負う協力企業のことで、台湾には世界屈指の技術力を持つメーカーが集中しています。2019年9月20日に発売された新型iPhoneの好調な滑り出しは、まさに彼らにとっての「追い風」となりました。特にカメラレンズやプロセッサといった中核部品を担う企業群が、この増収を力強く牽引している様子が伺えます。
しかし、楽観視できない状況が続いているのも事実ではないでしょうか。好調な売上高を記録する一方で、世界経済の足かせとなっているのが「米中貿易摩擦」という巨大な影です。これはアメリカと中国が互いに関税を掛け合い、貿易を制限し合う対立を指します。台湾企業はこの2大国のサプライチェーンに深く組み込まれているため、政治的な駆け引きひとつで業績が左右される危うさを常に孕んでいるのです。
私自身の見解としては、今回の増収は非常に喜ばしいニュースであるものの、特定企業への依存度の高さには注意が必要だと感じています。アップルという巨大ブランドの恩恵を最大限に享受しつつも、不透明な国際情勢を見据えた「次の一手」を各社がいかに打てるかが今後の鍵となるでしょう。10月以降もこの勢いを維持できるのか、世界の投資家たちは固唾を呑んで見守っています。
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